「空調のフィルターの清掃方法は?」
「空調のフィルター清掃の頻度は?」
このような疑問がある方もいるのではないでしょうか。
空調のフィルターを清掃すると、空調効率の低下や不快な臭いを防ぐことにつながります。
そのため、フィルターの清掃は重要ですが、そのやり方がわからない方も少なくありません。
そこで本記事では、空調のフィルターの清掃や頻度、注意点などをわかりやすく解説します。
空調におけるフィルターの役割
空調のフィルターの役割は大きく2つです。
- 空気のろ過
- 空調内部の保護
◾️空気のろ過
空調のフィルターには、室内の空気をきれいに保つ働きがあります。取り込んだ空気に含まれるホコリやチリ、花粉などをろ過して室内に戻さないようにします。
◾️空調内部の保護
フィルターには空調の内部を保護する役割もあります。空気中のゴミが空調の内部に入り込むと、故障の原因になるためです。
空調のフィルターの清掃が必要な理由
空調のフィルターには定期的な清掃が必要です。
その理由は以下の通りです。
- 空調効率の低下を防ぐ
- 不快な臭いを防ぐ
詳しく解説するので、ひとつずつ見ていきましょう。
空調効率の低下を防ぐ
フィルターが汚れてしまうと、空調効率の低下を招きます。
ホコリやチリで目詰まりしたフィルターは空気の流れを妨げるため、冷気や暖気を送り出す量が低下します。
フィルターの清掃が不足すると空調機器への負荷が上昇し、故障や電気代の上昇につながるでしょう。
三菱電機のデータによると、約半年間清掃していないフィルターは新品の状態と比較して消費電力が約12%も上昇します。
省エネのためにも、定期的なフィルターの清掃が必要です。
不快な臭いを防ぐ
フィルターを清掃すると、空調から排出される空気から出る不快な臭いを防げます。
フィルターが汚れると、以下のような臭いが発生します。
- カビ臭
- タバコ臭
◾️カビ臭
空調内部の熱交換器は、湿気が溜まりやすい環境です。カビは高温多湿でホコリやチリ、髪の毛といった栄養源がある場所を好みます。フィルターに汚れが溜まったまま放置すると、カビの大量発生を招きます。
◾️タバコ臭
タバコの煙には、ニオイ成分と呼ばれるアルデヒド類やアンモニア、硫化水素が含まれます。タバコのニオイ成分が空調に吸い上げられてフィルター内に残ると、その臭いが排出されることになるでしょう。
空調のフィルターの効果的な清掃方法4ステップ
どのような環境でも空調のフィルター清掃は必須です。
清掃は以下の4ステップで行いましょう。
- フィルターを取り外す
- 掃除機でホコリを吸い取る
- フィルターを水洗いをする
- フィルターを乾燥させる
とくに、業務用の空調は長時間稼働しているためフィルターが汚れやすくなります。
どの空調メーカーでも共通する方法なので、順番に見ていきましょう。
1. フィルターを取り外す
まずは空調のフィルターを取り外しましょう。
ここでは壁掛けタイプと天井埋め込みタイプの一般的な取り外し方を、それぞれ解説します。
壁掛けタイプ
壁掛けタイプのエアコンのフィルターの取り外し方は、以下の手順に従って「ただ外すだけ」です。
- エアコンのカバーを外す(左右の持ち手を使用)
- フィルターのツマミを引いて外す
フィルターにホコリが多く付着している場合、取り外すときに床に落ちてしまう可能性があります。取り外す前に掃除機でホコリを吸い取ることが大切です。
天井埋め込みタイプ
天井埋め込みタイプのフィルターを外す方法は、以下の通りです。
- ツマミ(ツメ)を操作してカバーを取り外す
- カバーについたフィルターを引っ張って外す
フィルターを外すのに難しい操作は必要ありません。ただし、天井埋め込みタイプは、空調によってカバーやフィルターの取り外し方が異なります。
たとえば、フィルターパネルが自動昇降式だと、リモコン操作でフィルターを下ろせるため、脚立を使用せずに掃除できます。空調によっては業者に依頼するとよいでしょう。
2. 掃除機でホコリを吸い取る
フィルターの表面に付着しているホコリやチリなどを掃除機で吸い取ります。その際、フィルターの裏面から掃除機をかけないように注意しましょう。
ホコリは表面から付着しているので、裏面から掃除機をかけるとフィルターの網目にホコリが絡んでしまいます。
掃除機のヘッドを、ブラシの付いたアタッチメントにすると、より効率的に汚れを落とせます。ホコリが周囲に撒き散らされないように、ゴミ袋や新聞紙などを敷くと掃除の手間が少なくて済みます。
3. フィルターを水洗いをする
掃除機で取り切れなかった細かい汚れを、水洗いにより落としましょう。シャワーやホースの水を、フィルターの裏側からかけると汚れを取りやすくなります。
ただし、熱いお湯をかけるとフィルターが熱で変形する恐れがあるので、水かぬるま湯で洗いましょう。油汚れが付着している場合は、中性洗剤を使ってブラシやスポンジで優しくこするのがポイントです。
強くこするとフィルターの網目が破れてしまうので注意が必要です。
4. フィルターを乾燥させる
洗ったフィルターは水気をよく切って乾燥させましょう。フィルターが濡れたまま本体に取り付けられると、カビが発生しやすくなるためです。
また、水気でホコリが付着しやすくなるため、フィルターが詰まる原因になります。タオルやウエスでよく拭き取ってから乾燥させれば、時間が短縮されます。
よく乾燥させたフィルターを空調に取り付ければ清掃完了です。複数の空調を同時に清掃する場合、フィルターの取り付け間違いに注意しましょう。
空調のフィルターを清掃する頻度
毎日空調を使っている場合、フィルターの清掃頻度は2週間に1回が目安です。
しかし、フィルターの汚れやすさは空調の設置環境や規模によって異なります。たとえば、業務用の空調は稼働時間も長く、広い空間で使用される場合が多いため、フィルターが汚れやすいとされています。
とくに、飲食店やコンビニなど人の出入りが多い場所では、フィルターはすぐに目詰まりしてしまうでしょう。ただし、業務用のロングライフタイプのフィルターでは、半年から1年に一度の清掃で性能を維持できるものもあります。
なお、資源エネルギー庁は、省エネのために1ヶ月に1〜2回のペースでフィルターの清掃を勧めています。
空調のフィルターを清掃する際の注意点
空調のフィルターを自分で清掃するときの注意点は以下の通りです。
- 転倒に気をつける
- 感電に注意する
ここまで空調のフィルター清掃の方法を解説してきましたが、ひとつ間違えると重大な事故にもつながります。
安全に清掃するために、注意点を把握しておきましょう。
転倒に気をつける
一般的に空調の室内機は天井近くに設置されています。
フィルターを取り外すために不安定な椅子や机などに登ると、バランスを崩したり踏み台が破損したりして転倒するリスクがあります。
必ず安定感のある脚立を使用してください。脚立を使用するときの注意点は以下の通りです。
- 安定した床に設置する
- 脚立は開いたら専用の留め具をロックする
- 一番の上の天板は不安定なので乗らない
天井が高く足場から床まで2m以上の高さとなる場合、労働安全衛生法の高所作業に当たるため、専門業者への依頼が推奨されます。
参考:厚生労働省|労働安全衛生法令における墜落防止措置と安全帯の使用に係る主な規定
感電に注意する
空調のフィルターを清掃するときは、感電のリスクに注意しましょう。
以下の4つに注意して作業する必要があります。
- アース線がついているか確認する
- 水や汗などで濡れた手で作業しない
- コンセントのコードにねじれや破損がないか確認する
- 作業の前に電源を切りコンセントを抜いてブレーカーを落とす
とくに、空調本体が経年劣化していたり、室外機や排水穴から雨水が逆流したりすると漏電する可能性があります。
空調のコンセントをつなげるときは、必ずアース線を接続してください。アース線には、漏電した電気を地面に逃がす役割があるためです。
また、コードやプラグが破損すると、導線がむき出しになり感電や火災のリスクが高まります。
まとめ
本記事では、効果的な空調のフィルター清掃の方法と注意点を解説しました。空調のフィルターの定期的な清掃は、ホコリやカビの発生の防止や省エネにつながります。
もし商業施設やホテルの経営者で、とくに省エネに力を入れたい方は、AIとIoT技術にも注目してみてください。
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