「省エネと脱炭素の違いは?」
「コストをかけて脱炭素に取り組むメリットはあるの?」
このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
省エネとしてエアコンの温度設定を見直したり、照明を節約したりする方は多くいます。しかし、省エネだけでは二酸化炭素の排出をゼロにできません。
そこで本記事では、脱炭素を実現するために省エネとの違いやメリットを紹介します。企業が脱炭素に取り組むとブランディングやコスト削減に繋がりますので、ぜひ最後までお読みください。
省エネと脱炭素の違いは?

省エネとは「省エネルギー」の略称で、エネルギー消費を抑えることを意味します。脱炭素は、二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量を均衡にする取り組みです。
省エネは脱炭素を達成する手段のひとつで、持続可能な社会のために必要です。それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
省エネとは
省エネは、エネルギーを効率的に使用し無駄な消費を減らすことです。
地球環境を保護する取り組みとして、石油や石炭、天然ガスなどの資源が無くならないように、エネルギー消費を抑える必要があります。
省エネの取り組みは、個人と企業で以下のように異なります。
家庭 | 家電製品の使用を控える |
企業 | エネルギーの使用状況の報告 |
省エネは環境保護と経済性を両立させるための重要な取り組みです。
脱炭素とは
脱炭素とは「カーボンニュートラル」とも呼ばれます。人間の活動による温室効果ガスの排出量と、森林による吸収量を差し引きして、実質的な排出量をゼロにする取り組みです。
電力の多くは化石燃料や天然ガスを燃焼して作られます。自動車や航空機、船舶などの輸送や製造で使用される機械も同じです。
上記から二酸化炭素をまったく排出しないエネルギーのみで、人間の生活は支えられません。そのため、人間活動によって生じる二酸化炭素を、植物に吸収させる必要があります。
参考:環境省|脱炭素ポータル
脱炭素が必要な理由

2020年10月、日本は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。なぜ脱炭素が注目されるようになったのでしょうか?
脱炭素が必要な理由は主に2つです。
- 気候変動に対応するため
- 経済成長に必要なため
脱炭素の理解を深めるためにひとつずつ見ていきましょう。
気候変動に対応するため
地球温暖化はさまざまな気候変動を引き起こします。以下のように日本にも気候変動の影響は及んでいます。
- 農作物の被害
- 渇水及び洪水のリスクの上昇
- 熱中症患者の増加
環境省によると、2020年の時点で世界の平均気温は工業化以前(1850〜1900年代)と比較して約1.1℃上昇しています。このまま何の対策もとらないと、さらなる気温上昇が予測されます。
そのため、2015年のパリ協定では「2100年までに地球の平均気温上昇を工業化以前と比べて2℃、もしくは1.5℃に抑えること」が世界共通の目標として掲げられました。
経済成長に必要なため
脱炭素社会への取り組みは、将来的な経済成長につながります。脱炭素を実現するために技術開発と投資が加速し、市場が魅力的になっているためです。
以下は技術開発の事例です。
- 水素発電やアンモニア発電
- 水素を活用した鉄鋼業の低炭素化
- 触媒技術を利用した人工光合成
化石燃料や天然ガスを枯渇させないために技術力が高まった結果、長期的な経済成長につながります。また、世界では環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)を重視したESG投資が拡大しています。

世界のESG市場は2016年→2018年で1.3倍になっており、その市場の大きさがわかるでしょう。このことから脱炭素社会の実現は経済成長につながるといえます。
脱炭素が意味ないといわれている理由は以下の記事で解説しています。
関連記事:脱炭素は意味ない?カーボンニュートラルは本当に必要かについて解説
省エネで脱炭素を目指すメリット3選

脱炭素は企業としても取り組むメリットがあります。
その理由は以下の通りです。
- コスト削減につながる
- 不動産価値の向上につながる
- 企業イメージ向上につながる
とくに、ビル運営者にとって脱炭素への取り組みは重要です。自社のビルに脱炭素を取り入れるメリットがわかるので、ひとつずつ見ていきましょう。
1. コスト削減につながる
ビルの脱炭素化を目指す過程で省エネに取り組むため、コスト削減につながります。
具体的な施策は以下です。
- AI・IoTを活用した空調の効率的な運用
- 再生エネルギーの活用による電気代の削減
- 断熱性能の向上による空調負荷の軽減
◾️AI・IoTを活用した空調の効率的な運用
高効率な空調システムへの更新や、AI・IoTを活用した空調制御の導入により、エネルギー使用量を大幅に削減できます。
◾️再生エネルギーの活用による電気代の削減
ビルの屋上や壁面に太陽光発電システムを設置すれば、ビルで消費される電力の自家発電が可能です。
◾️断熱性能の向上による空調負荷の軽減
高性能な断熱材の使用や二重窓の導入により、建物の断熱性能を向上させることで、冷暖房の負荷を軽減できます。初期投資が必要な取り組みですが、長期的なコスト削減が可能です。
2. 不動産価値の向上につながる
脱炭素を実現したビルは不動産価値の向上も期待できます。
ビルが脱炭素化による環境認証を受けられれば、環境性能が客観的に評価されることになるためです。たとえば、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにするビルを、ZEB(Net Zero Energy Building)と呼びます。
環境省によると、ZEB認証を受けたビルは通常のビルに比べてテナント賃料が高いデータがあります。

ビルの脱炭素化への投資は、長期的な収益性と資産価値の向上に貢献します。
3. 企業イメージ向上につながる
環境問題への関心が世界的に高まるなか、脱炭素の取り組みは企業イメージの向上に大きく貢献しています。
- メディアからの注目
- 人材採用・定着率の上昇
- 取引先との関係強化
◾️メディアからの注目
脱炭素への取り組みがメディアに取り上げられると、企業の知名度や信頼性が期待できます。
◾️人材採用・定着率の上昇
企業イメージが向上すれば環境意識の高い人材から評価されやすくなります。また、従業員の満足度向上にもつながります。
◾️取引先との関係強化
サプライチェーン全体での環境負荷削減が求められるなか、脱炭素経営は取引先との信頼関係構築にもプラスに働きます。
このように脱炭素経営は企業のブランド価値を高め、サービスや商品の付加価値の向上に大きく貢献します。
参考:環境省|脱炭素ポータル
まとめ|省エネで脱炭素を実現しよう

この記事では、省エネと脱炭素の違いやメリットについて解説しました。地球温暖化による気候変動はすでに現実となっており、企業には脱炭素への取り組みが求められています。
また、企業にとって脱炭素は社会的な意義だけではなく経済的なメリットもあります。
ビルの運営で脱炭素を実現するには、エネルギーマネジメントシステム(EMS)が有効です。EMSとは、エネルギーを効率的に管理、運用して省エネと脱炭素を目指す技術です。
株式会社メンテルでは、空調や照明をAI、IoTにより一元管理ができるサービスを提供しています。ビルの運営者の方はぜひ一度ご相談ください。
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