パッシブデザインの日射熱とは?3つのポイントとメリットを解説

パッシブデザイン 日射熱

「パッシブデザインの日射熱ってなに?」
「日射熱を利用した省エネ方法を知りたい」

このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

パッシブデザインは、自然エネルギーにより快適性と省エネを両立する手法として注目されています。なかでも、日射熱は太陽の熱で室内を温め、暖房負荷を軽減する手法です。

しかし、日射熱は地域や天候の影響を受けるため、事前のシミュレーションが欠かせません。そこで本記事では、パッシブデザインの日射熱のポイント3つとメリットなどを詳しく解説します。

パッシブデザインに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

パッシブデザインの日射熱とは

日射熱

パッシブデザインの日射熱とは、太陽光の熱を室内に取り入れ、暖房として利用する手法です。日射熱の活用により、冬の寒い時期でも暖房負荷を軽減できます。

ただし、日差しの強さは、地域によって大きく異なります。たとえば、日本海沿岸では冬の日射量が少ないため、日射熱を暖房として効果的に利用できません。

また、周囲のビルやマンションなどで日差しが遮られてしまうと、日射熱利用が難しくなるでしょう。

そのため、日射熱を有効に利用できるか、事前によく検討する必要があります。

熱が伝わる仕組み

熱の仕組み

日射熱を正しく理解するために、まずは熱が伝わる仕組みを紹介します。

熱が伝わる仕組みは次の3つです。

  • 輻射
  • 伝導
  • 対流

熱が伝わる仕組みを知ると、より日射熱の理解が深まります。

順番に見ていきましょう。

輻射

輻射(ふくしゃ)とは、温度の高い物質から放出される電磁波によって、熱が伝わる現象です。

パッシブデザインの日射熱では、主に太陽の輻射熱を利用して室内を温めます。

空気は暖められると上へ移動する性質がありますが、輻射は電磁波によって偏りなく熱を伝えられます。

そのため、輻射を利用すれば部屋全体を均一に温められるでしょう。

伝導

伝導とは、熱が物質を介して高温から低温のところへ伝わる現象です。

たとえば、熱いフライパンに生肉を入れると、熱が食材に伝わり、肉が焼けます。これはフライパンの熱(高温)が、生肉(低温)へ伝導しているために起こる現象です。

実際に直射日光により熱を持った壁や床に直接触れると、暖かさを感じることがあるでしょう。

ただし、直接触れないと熱が伝わらないため、輻射に比べて室内に伝わる熱は限定的です。

対流

対流とは、気体や液体などの流体を通じて、熱が移動する現象です。熱は高温のところから低温のところへ移動します。

たとえば、暖房によって発生する温かい空気は、徐々に低温のところへ移動していき、部屋全体を暖めます。

日射熱の利用においては、対流による熱の移動を考慮して、日光を確保することが重要です。

パッシブデザインの日射熱のポイント3つ

パッシブデザインの日射熱のポイントは以下の3つです。

  1. 集熱
  2. 断熱
  3. 蓄熱

日射熱の利用方法を詳しく理解するために、順番に見ていきましょう。

1. 集熱

集熱とは、窓から日射による熱を室内に取り込むことです。日射をできるだけ取り入れるためには、日当たりの良い南側に大きな窓を設置します。

しかし、窓が大きすぎると断熱性が低下するため、室内面積に応じてバランスを考えなければなりません。

また、太陽の位置関係に加えて、周囲の建物の影響も考慮する必要があるため、複雑な計算が求められます。

2. 断熱

日射熱における断熱とは、取り込んだ熱を室外に逃さないことを指します。

天井や壁、床に高性能な断熱材を利用すれば、建物の断熱性を高められます。さらに、建物の隙間を減らし気密性を高めることも有効です。

断熱性を高めると、外気温が室内に伝わりにくくなるため、暖房負荷だけでなく冷房負荷の軽減にもつながります。

3. 蓄熱

蓄熱とは、建物に取り入れた熱を床や壁に蓄えて、太陽が沈んだ後も室内を暖かく保つ仕組みです。

コンクリートやタイル、レンガなどの蓄熱性能が高い素材を床や壁に用いれば、夜間でも室温の低下を防げます。

しかし、蓄熱性能が高すぎると、夜間に冷えた室内の温度を蓄えてしまい、日中に温度が上昇しにくくなります。

一日の温度変化を緩やかにして快適に過ごすためには、蓄熱性能が低い軽量断熱材や彩木などを取り入れるとよいでしょう。

パッシブデザインの日射熱のメリット

パッシブデザインにおける日射熱には、以下のメリットがあります。

  • 省エネの実現
  • 温室効果ガスの排出量の削減
  • 快適な室内環境の創出

日射熱を利用したメリットを、具体的に見ていきましょう。

省エネの実現

日射熱をうまく取り入れれば、冬の暖房の使用頻度を減らせます。日射量が多い地域では、冬に暖房をほとんど利用しなくても済むでしょう。

また、日射熱利用では、空調のように空気を乾燥させません。そのため、加湿器の使用頻度も減らせます。

ただし、日射熱は夏には冷房負荷になります。夏には庇やシェードなどで、室内に入る日射を遮断しましょう。

関連記事:パッシブデザインの日射遮蔽とは?5つの方法とメリットを徹底解説

温室効果ガスの排出量の削減

日射熱を利用して暖房の使用頻度を減らせば、温室効果ガスを削減できます。

暖房の使用には電力が必要です。電力を得るには火力発電が必要で、発電時には化石燃料を燃焼させます。その過程では二酸化炭素を排出されます。

二酸化炭素は、地球温暖化の主要な温室効果ガスです。

そのため、日射熱を利用して暖房使用量を削減すれば、結果として温室効果ガスを削減し地球温暖化防止につながるでしょう。

快適な室内環境の創出

日射熱を取り入れると、太陽の自然な暖かさを感じられ、冬でも快適に過ごせます。

そのポイントは、室内を均一に暖められることです。日射熱を利用すると、屋根や窓から伝わる熱により、部屋の天井だけでなく、床も温められます。

空調の暖房だと、温められた空気が上に移動して、足元が冷える可能性があるでしょう。また、温かい空気が床部分に届かずに、温まらない可能性もあります。

そのため、快適な空間にするには、日射熱を利用するほうが、効果的な場合があります。

まとめ

本記事では、パッシブデザインにおける日射熱の3つのポイントと具体的なメリットを解説しました。日射熱を上手に利用すると、寒い冬でも暖かく快適に過ごしながら、省エネも実現できます。

また、温室効果ガスの削減も期待できるため、企業イメージの向上にもつながるでしょう。ただし、地域や立地環境によっては、日射熱を効率よく利用できないケースもあります。

株式会社メンテルでは、環境解析と設計支援のプロによる質の高いサービスを提供しています。

パッシブデザインの導入を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。

関連記事:パッシブデザインとは?エコで快適な建築物のメリットと注意点を解説

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