「全館空調の電気代を節約する方法は?」
「エアコンとどちらが安い?」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
全館空調の電気代は、エアコンと比較しても高くありません。さらに設定温度や稼働状況を工夫すれば、電気代を相場より下げることも可能です。
本記事では、全館空調の1ヶ月の電気代の相場や節約する方法、エアコンとの比較を解説します。
今からでもできる節電方法がわかり、翌月の電気代を下げることにつながるため、ぜひ最後までお読みください。
全館空調の電気代は1ヶ月いくら?

全館空調の1ヶ月の電気代は、消費電力量によって異なります。
HINOKIYAによると、同社が開発したZ空調(全館空調)の1ヶ月の電気代の平均は6,434〜8,589円のようです。
HINOKIYAのZ空調の電力消費量と電気代に関する調査の概要を、以下にまとめました。
地域 | 4〜6地域 | 3地域 |
---|---|---|
年間の電力消費量 | 2,430kWh | 4,307kWh |
1ヶ月の電力消費量 | 202kWh | 359kWh |
年間の電気代 | 77,209円 | 103,071円 |
7〜9月の電気代の平均 | 4,482円 | 3,372円 |
12〜2月の電気代の平均 | 12,758円 | 19,331円 |
電気代の月平均 | 6,434円 | 8,589円 |
また、表からもわかるとおり全館空調の電気代は季節ごとに変動します。
そこで本章では、全館空調の電気代のシミュレーションを季節ごとに行います。
・冬にかかる全館空調の電気代のシミュレーション
・夏にかかる全館空調の電気代のシミュレーション
それぞれ順番に見ていきましょう。
冬にかかる全館空調の電気代のシミュレーション
冬は1年間の中でもっとも電気代が高くなります。
外気温と設定温度の差が大きくなると、多くの電力を消費するためです。
HINOKIYAによると、30〜40坪の住宅の消費電力から算出された冬にかかる電気代は以下のとおりです。
地域 | 4~6地域 | 3地域 |
---|---|---|
冬季電気代(1月・2月・12月) | 12,758円 | 19,331円 |
全館空調の電気代は季節係数により変動し、冬は夏の1.5~2.5倍ほどに上昇します。
冬の電気代は10,000円を超えると想定しておきましょう。
夏にかかる全館空調の電気代のシミュレーション
夏は冬と比較すると、電気代を抑えられることがほとんどです。
HINOKIYAは夏にかかる電気代を、以下のように推測しています。
地域 | 4~6地域 | 3地域 |
---|---|---|
夏季電気代(7月・8月・9月) | 4,482円 | 3,372円 |
冬の電気代に比べると夏は、約8,000〜16,000円も安くなります。
季節ごとにかかる全館空調の電気代を把握して、節約することが重要です。
全館空調の電気代を節約する5つの方法

全館空調の電気代を節約する方法は次の5つです。
1. 室温を夏は28℃冬は20℃にする
2. フィルターをこまめに清掃する
3. 運転を頻繁に停止させない
4. 家の気密性と断熱性を高める
5. 扇風機やサーキュレーターなどを活用する
それぞれの方法を見ていきましょう。
1.室温を夏は28℃冬は20℃にする
全館空調の設定温度を緩和すれば、電気代を節約可能です。
環境省は、快適性が損なわれない範囲の室温を夏は28℃、冬は20℃と定めています。
一般的に室温と設定温度には3〜4℃の差があるため、冷房は24〜25℃、暖房は23〜24℃に設定することがポイントです。
実際にエアコンの設定温度を1℃緩和すると、消費電力量は冷房時に約13%、暖房時に約10%削減されます。
全館空調でも電気代の節約が期待できるため、室温を夏は28℃冬は20℃に調整してみましょう。
2.フィルターをこまめに清掃する
フィルターをこまめに清掃すれば、電気代を節約できます。
フィルターが目詰まりすると、冷暖房の効率が下がり、消費電力量が上がってしまうためです。
フィルターを清掃する頻度の目安は、以下のとおりです。
・一般的なフィルター:2週間~1ヶ月に1回
・高性能フィルター:メーカーの推奨に従う(通常は3~6ヶ月に1回)
環境省によると、フィルターをこまめに清掃することで冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力が削減されます。
フィルターを定期的に清掃し、全館空調の冷暖房の効率を最大化させましょう。

3. 運転を頻繁に停止させない
全館空調の運転を頻繁に停止させないことも節約につながります。
空調は運転開始時にもっとも多くの電力を消費し、設定温度に達すれば少ない電力で稼働が可能です。
運転のオンオフを極力減らして消費電力を抑えると、電気代の削減が期待できます。
なお、全館空調は24時間つけっぱなしでの使用を想定されているため、稼働し続けても問題ないケースがほとんどです。
4. 家の気密性と断熱性を高める
家の気密性と断熱性が不十分だと、冷房や暖房をかけても室温を一定に保つことが難しくなります。
また、室温を一定に保つために全館空調の暖房や冷房を強めると、その分だけ消費電力が大きくなってしまいます。
全館空調を導入する際は、次の2つの対策を検討しましょう。
・住宅の気密性能を表すC値は1.0㎠/㎡以下にする
・断熱性能は等級5(ZEH基準)以上にする
家の気密性と断熱性を高め、全館空調の運転負荷を減らすことが電気代の節約につながります。
5. 扇風機やサーキュレーターなどを活用する
扇風機やサーキュレーターなどを活用すると、全館空調の運転効率を向上させることが可能です。
空気には暖気が上に冷気が下に集まる性質があります。
この空気を循環させることが快適な室内環境を構築する上で重要ですが、全館空調だけでは空気が停滞するかもしれません。
扇風機やサーキュレーターなどを利用すれば、空気を循環させられ室内の温度ムラを解消できます。
冷暖房の運転効率がアップすれば電気代の節約につながるでしょう。
全館空調とエアコンの電気代の比較

全館空調とエアコンの電気代の比較は、以下のとおりです。
全館空調 | エアコン | |
---|---|---|
対象範囲 | 30〜40坪 | 26畳 |
1ヶ月の消費電力量 | 359kWh | 217kWh |
1ヶ月の電気代 | 11,129円(=359kWh×31円) | 6,727円(=217×31円) |
1kWあたりの電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から31円で算出しています。
エアコンのほうが電気代が安いように見えますが、26畳あたりの値であるため40坪に換算すると3台は必要でしょう。
複数台のエアコンを使用する場合、全館空調のほうが安く利用できます。
全館空調の電気代の節約に関するよくある質問
本章では、全館空調の電気代の節約に関する次のよくある質問に回答します。
・全館空調の電気代が高すぎると言われる理由は何ですか?
・全館空調はやめたほうがいい理由は何ですか?
詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
全館空調の電気代が高すぎると言われる理由は何ですか?
全館空調の電気代は、1ヶ月あたり6,500〜11,000円ほどのため決して高くありません。
全館空調は初期費用が100〜300万円ほどかかるため、高いと言われています。
電気代に関しては、月6,500~11,000円ほどで家全体が快適な室温に保たれることを考慮すると安いと言えます。
全館空調はやめたほうがいい理由は何ですか?
全館空調をやめたほうがいい理由は次の3つです。
・初期費用が高い
・結露やカビが発生しやすい
・部屋ごとの温度調整が難しい
全館空調の良い部分だけでなく、悪い面も把握しておきましょう。
まとめ:中央熱源の省エネ支援ならご相談ください
本記事では、全館空調の1ヶ月あたりの電気代や節約する方法、エアコンとの比較を解説しました。
電気代を節約すると、その分だけ金銭的に余裕のある生活を送ることにつながります。
しかし、住宅向けの節電方法がわかっても、オフィスや商業施設などの非住宅の電気代を抑える方法はわからない方もいるでしょう。
株式会社メンテルは、非住宅向けに中央熱源の省エネ支援を実施しています。
AIとIoTセンサーを駆使したシステムにより、細かな温度設定や自動制御が可能になり電気代の節約が可能です。
中央熱源におけるランニングコストの削減に興味をお持ちの方は、ぜひ一度メンテルにご相談ください。
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