「コンビニの1ヶ月あたりの電気代が知りたい」
「電気代の節約方法を知りたい」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?
コンビニの経営者が1ヶ月間の電気代を把握することは必須です。1ヶ月間に電気代が何にいくらかかっているのかわかると、コンビニの利益率の改善策がわかるためです。
そこで本記事では、コンビニの1ヶ月間の電気代とその内訳、節約方法などを解説します。
今、電気代の高騰により経営状況が苦しくても、その値上げ幅を相殺させられるかもしれないノウハウを述べています。
「コンビニの利益が想定より低かった…」とお悩みの方は、その改善につながりますので、ぜひ最後までお読みください。
コンビニの1ヶ月の電気代は約27.8万円

東京都環境局によると、東京都内の平均的な年間電気料金は約334万円。1ヶ月あたり約27.8万円です。
334万円 ÷ 12ヶ月 = 278,333…円
ただし、上記は年間の電気料金を12ヶ月で均等割した数値です。季節ごとの電力使用量の違いは考慮されていないので、一概に毎月約27,8万円かかるとは限りません。
また、コンビニの1ヶ月あたりの電力使用量も見ておきましょう。東京都環境局のアンケート調査によると、東京都内の1店舗あたりの年間電力使用量は約173,000kWhです。
これは家庭一世帯の約41倍の電力に当たります。
・家庭一世帯:約4,175kWh
・コンビニ:約173,000kWh
(173,000kWh ÷ 4,175kWh = 41.437…)
家庭一世帯と比べても、コンビニの電力使用量は大きいため、削減して利益を残すことが重要です。
コンビニの1日の電気代
コンビニの電気代は1日あたり約9,150円です。
・コンビニの1年の電気代:334万円
・334万円 ÷ 365日 = 約9,150円
ただし、上記の電気代は年間電気料金を1日単位で割ったものなので、季節ごとの電力使用量の違いまでは考慮されていません。
たとえば、夏と冬は空調の冷暖房をきかせる必要があるため、その分1日の電気代が高まるでしょう。
また、冬は日の入りが遅いため、夜間の照明時間が長くなります。夏に比べて照明の電気代が高くなります。
【建物別】コンビニの1ヶ月の電気代の内訳

コンビニの1ヶ月の電気代27.8万円を基準として、ビルインタイプと単独タイプの店舗の電力使用量の内訳をそれぞれ見ていきましょう。
・ビルインタイプ:ビル1階のテナント/道路側に入口がある
・単独タイプ:大きめの道路沿いに位置し、駐車場を備える
なお、時間がないコンビニチェーンの本部の方のために、以下に各設備ごとの1ヶ月の電気代をまとめました。
設備名称 | ビルインタイプ | 単独タイプ |
---|---|---|
空調設備 | 58,380円(21%) | 47,260円(17%) |
照明設備 | 22,240円(8%) | 33,360円(12%) |
換気設備 | 5,560円(2%) | 5,560円(2%) |
冷蔵・冷凍設備 | 88,960円(32%) | 111,200円(40%) |
加熱保温設備 | 33,360円(12%) | 52,820円(19%) |
コンセント | 13,900円(5%) | 5,560円(2%) |
その他 | 55,600円(20%) | 22,240円(8%) |
合計 | 27.8万円(100%) | 27.8万円(100%) |
上記のデータは「東京都環境局|コンビニ店長のためのコンビニエンスストアの節電ガイド」を参考にメンテルで試算しています。
空調設備
1ヶ月間でコンビニの空調設備にかかる電気代は、以下の通りです。
・ビルインタイプ:58,380円(21%)
・単独タイプ:47,260円(17%)
両者とも空調設備の電気代は全体の20%前後です。
とくに夏冬は春秋に比べて冷暖房をきかせる必要があるため、空調の電力使用量はピークになります。
照明設備
コンビニの照明設備の1ヶ月間の電気使用量は、ビルトインタイプ・単独タイプともに10%前後でした。
電気代は以下の通りです。
・ビルインタイプ:22,240円(8%)
・単独タイプ:33,360円(12%)
近年では、多くの店舗で照明設備のLED化が進んでいます。
LED照明は白熱電球や蛍光灯に比べて寿命が長く、消費電力が少ないため、電気代が抑えられているといえます。
換気設備
換気設備の電気代は、以下のように試算できました。
・ビルインタイプ:5,560円(2%)
・単独タイプ:5,560円(2%)
コンビニの換気設備としては、外調機や換気扇などがあります。
外調機とは、外気の温度を調整したり冷やしたりして、室内に供給する機械です。換気するために取り入れられます。
また、フライヤーの近くやトイレには換気扇が設置されており、室内の空気を外に排出します。
換気設備は24時間稼働させる必要がありますが、空調設備に比べると毎月の電気代は低いようです。
冷蔵・冷凍設備
冷蔵・冷凍設備の電気代はそれぞれ以下の通りです。
・ビルインタイプ:88,960円(32%)
・単独タイプ:111,200円(40%)
ビルインタイプ・単独タイプどちらも冷蔵・冷凍設備にもっとも多くの電気代がかかっています。
その原因は、冷蔵・冷凍設備が多く設置されていることです。実際に壁一面に冷蔵設備が設置されているコンビニも多くありますよね。
また、経済産業省によると、近年冷凍食品の国内製造量は増加しており、コンビニでは売り場を拡大する動きがあるようです。
加熱保温設備
コンビニのフライヤーやシューケース、フライヤーなどの加熱保温設備も、電気代の10〜20%ほどを占めます。
・ビルインタイプ:33,360円(12%)
・単独タイプ:52,820円(19%)
加熱保温設備にかかる電気代は、単独タイプの店舗では冷蔵・冷凍設備に次ぐ割合です。
とくに揚げ物を調理するフライヤーは大きな電力を使用します。
東京都環境局によると、フライヤーがある店舗は、ない店よりも加熱保温設備のシェアが大きくなり、冷蔵・冷凍設備を上回るケースもあるようです。
コンセント
コンセントはコンビニの電気代の2〜5%ほどを占めます。
・ビルインタイプ:13,900円(5%)
・単独タイプ:5,560円(2%)
イートインスペースがあるコンビニでは、利用者がスマートフォンやタブレットなどを充電できるコンセントが設置されているケースがあります。
また、最近ではモバイルバッテリースタンドを備えたコンビニも出てきました。
コロナ禍以降、イートインスペースを設置している店舗は減っていますが、スマートフォンが充電できるサービスの需要は高いでしょう。
上記のことから、コンセントが電気代の2〜5%を占めているのです。
参考:FamilyMart|店舗売場面積拡大に向けイートインを売場に変更
その他
その他の電気代には以下が挙げられます。
・ビルインタイプ:55,600円(20%)
・単独タイプ:22,240円(8%)
その他の設備としては、マルチコピー機やATM、レジ、証明写真機などがあります。これらの設備は、常時使用されるわけではありません。
ただし、電子機器は起動時にもっとも大きな電力を消費するため、使用頻度が多ければ、その分電気代がかかります。
コンビニの電気代の季節ごとの違い

東京都環境局によると、床面積あたりのコンビニの電力消費量は、夏と冬がピークです。
春と秋に比べて20〜40%ほど電気使用量が多くなります。そのため、夏と冬の電気使用量を抑えることが重要です。
まずは季節ごとの特徴を抑えておきましょう。
夏季
夏季は電力消費量が年間でもっとも大きい時期です。一番の要因は冷房の使用量の増加です。
日中は大きな窓からの直射日光で、店舗内の気温が上昇して空調効率が落ちます。また、外気温が高いと冷蔵・冷凍設備の負荷も大きくなるでしょう。
近年、地球温暖化で気温が上昇しているため、冷房による電力消費が増加する傾向にあります。
冬季
冬季は夏季に次いで電力消費量が大きい時期です。電気使用量が増加する最大の原因は暖房設備の稼働です。
24時間営業のコンビニでは、気温が下がる夜間にも暖房設備を稼働させる必要があります。
一般的に暖房は、冷房に比べて消費電力が高くなる傾向があります。また、冬季にはおでんを販売するため、その分電気代がかかります。
コンビニの電気代の節約方法

コンビニの電気代の節約方法について、夏季と冬季にできるものを中心に解説します。
夏季と冬季は電気使用量が多い分、節電する余地もあります。
・空調や冷蔵・冷凍設備のフィルターを定期的に清掃する
・冷蔵・冷凍設備のエアーカーテンの吸込口を塞がないようにする
・夏場は窓から直射日光が入らないようにスクリーンを使用する
・室外機に直射日光が当たらないように日よけを設置する
・おでんの加熱容器に蓋をして熱を逃さないようにする
・バックヤードなど人のいないエリアの空調はオフにする
・温度計を設置して空調の設定温度を見直す
これらの節電は、初期投資が不必要ですぐに始められます。コンビニの電気代が高くて悩んでいる方は、ぜひ取り組んでみてください。
まとめ

本記事では、コンビニの1ヶ月の電気代から季節ごとの違いや内訳を解説しました。電気代を節約するには、店舗ごとの電力使用量の内訳を把握する必要があります。
株式会社メンテルでは、複数の店舗の電気使用量を一元管理して、電気代を節約できるサービスを提供しています。
AIやIoTを活用して空調や照明を自動で管理したり、遠隔操作を行うことも可能です。ぜひお気軽に資料請求のお問い合わせをしていただけますと幸いです。
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