「オフィスに温度ムラが発生する原因は?」
「室温維持の方法は?」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
オフィスに温度ムラが発生すると、従業員の健康や業務に悪影響を与える可能性があります。温度ムラを改善するには、原因を突き止め対策を打つことが重要です。
そこで本記事では、オフィスに温度ムラが発生する原因や室温維持の方法を紹介します。
最後までお読みいただき、オフィスの温度ムラに関する悩みを解決してみてください。
オフィスに温度ムラが発生する原因

オフィスの温度ムラを解消する場合、まずはその原因を突きとめる必要があります。
その原因は、主に以下の3つです。
- 日射
- 人口密度
- 空調の配置
ひとつずつ見ていきましょう。
日射
オフィスの窓際は日射の影響で室温が上がりやすく、温度ムラが発生しやすい場所です。
とくにガラス張りのオフィスは影響を受けやすく、空調の冷却効果を打ち消してしまう可能性があります。
日射による室温の上昇を抑えるためには、カーテンやブラインドをつけるといった日差し対策が必要です。
オフィスの窓際で温度ムラを感じたら、まずは日射による影響を疑ってください。
人口密度
人は常に36〜37度の熱を発しているため、人口密度が高くなりすぎると室温が上昇します。人口密度による温度ムラを防ぐには、従業員が密集しすぎないオフィス設計が必要です。
労働安全衛生法にもとづく事務所衛生基準規則によると、事業者は労働者ひとり当たり10㎥以上(床面積×高さ)のスペースを用意する義務があります。
たとえば、オフィスの天井を2.5mと仮定すると、ひとり当たり4㎡(約1.2坪)の床面積が必要です。
ただし、4㎡は従業員が快適に働くには狭いため、少なくともひとり当たり10㎡(3坪)以上あるのが望ましいでしょう。
室温のムラが生じないように、余裕のある作業スペースを確保することがポイントです。
空調の配置
空調の配置次第では、直接風が当たる場所と当たらない場所に分かれてしまい、温度ムラが生じます。
とくに直接風が当たる場所に従業員のデスクがある場合は、風向きの調整が必要です。
長時間オフィスで直接風を浴び続けると肩こりや頭痛を引き起こします。
大切な従業員の健康を守るためにも、空調の配置には細心の注意を払い、室内の温度差ができるだけ小さくなるようにしましょう。
空調によるオフィスの温度ムラを改善する方法4選

オフィスの温度ムラの原因を把握できたら、次は改善方法を実践しましょう。
オフィスの温度ムラを改善する方法は以下の4つです。
- 空調を適正温度に設定する
- 風向きを調整する
- 扇風機やサーキュレーターなどを活用する
- 日差し対策する
これらを組み合わせると室温のムラを解消させることが可能ですので、ぜひ順番にご覧ください。
1. 空調を適正温度に設定する
オフィスに温度ムラが発生した場合は設定温度の調整が必要です。
オフィスの室温は事務所衛生基準規則により、18度以上28度以下で維持する必要があるため、以下のように設定温度を調整しましょう。
オフィスの場所 | 空調の設定温度 |
---|---|
廊下側 | 24度 |
中間地点 | 23度 |
窓側 | 22度 |
室温と空調の設定温度には3〜4度の差があります。そのため、冷房は24度以下、暖房は22度以上に設定することがポイントです。
また、窓際は日射の影響で室温が上がりやすいため、空調の設定温度を低くし、比較的涼しい廊下側は高めに調整してみてください。
空調を適正温度に設定し、オフィス内の温度ムラを解消しましょう。
2. 風向きを調整する
温度ムラを改善するには、空気の暖気は上に、冷気は下に集まる性質を利用した風向き調整をしましょう。
この性質を利用して温度ムラを解消する方法は以下のとおりです。
空気の性質 | 空調の風向き | |
---|---|---|
暖気 | 上に集まる | 下向きに設定する |
冷気 | 下に集まる | 上向きに設定する |
暖気は上に集まる性質を持つため、暖房時に空調の風向きを下にすれば、足元からオフィス全体に暖かい空気を届けられます。
一方、冷房時は空調の風向きを上にすると、天井からオフィス全体に冷たい空気を届けることが可能です。
オフィス内で温度ムラが気になる際は、空調の風向きを変更してみましょう。
3. 扇風機やサーキュレーターなどを活用する
扇風機やサーキュレーターなどを上手く活用すれば、室内の空気を効率的に循環させられるため、温度ムラの改善が可能です。
たとえば、空調から離れた場所やパーテーションで区切られた場所だと、風向きの調整だけで空気を循環させるのには限界があります。
おすすめの設置場所は、空調の対角線上や室温が高まりやすいエリアです。
複数台を利用する際は空気の流れを意識し、オフィス全体の空気が循環するように工夫しましょう。
4. 日差し対策する
オフィスの窓際で室温の上昇が気になる場合は、日差し対策により温度ムラを改善できるケースがあります。
具体的な日差し対策は、以下のとおりです。
- 窓ガラスに断熱加工する
- 遮光カーテンに変える
- 遮熱ブラインドを取り付ける
これらの日差し対策には初期費用がかかります。ただし、日差し対策をすれば空調費用の削減が可能です。
また、オフィスの窓際で仕事をする社員に直接太陽の光が当たらなくなるため、強い日差しによる健康状態の悪化を防げます。
社員の健康を守るためにも日差し対策を取り入れましょう。
オフィスの温度ムラに関するよくある質問

本章ではオフィスの温度ムラに関する次のよくある質問に回答します。
- 職場が暑すぎるときの対策はありますか?
- 暑すぎる職場は法令違反ですか?
詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。
職場が暑すぎるときの対策はありますか?
職場が暑すぎるときの対策は以下のとおりです。
- 窓を遮熱加工する
- 空調の設定温度を調整する
- クールビズを導入する
窓の遮熱加工は費用がかかりますが、空調の設定温度の調整やクールビズの導入は費用がかかりません。
とくに老若男女が働く職場では各自の体感温度の差が大きいため、クールビズの導入がおすすめです。
クールビズは個人で服装による温度調整ができるため、各自が働きやすい体感温度で業務に取り組めるでしょう。
暑すぎる職場は法令違反ですか?
2025年6月1日から労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症対策が義務化されました。
熱中症対策が義務化される職場の条件を紹介します。
作業環境 | WBGT28度以上または気温31度以上の環境での作業 |
---|---|
作業時間 | 連続1時間以上または1日4時間以上の実施が見込まれる作業 |
WBGTとは熱中症の予防を目的として、1954年にアメリカで提案された指標です。熱中症対策が義務化された企業は、体制整備と手順作成、関係者の周知を実施する必要があります。
対策を怠った場合は、6ヵ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があるため注意が必要です。
熱中症対策が義務化された企業は、法令と大切な従業員を守るために、必ず熱中症対策に取り組みましょう。
まとめ:空調によりオフィスに温度ムラが発生したらご相談ください
本記事では、空調によるオフィスの温度ムラの原因と室温維持の方法を解説しました。オフィスの温度ムラが解決されると、働きやすい環境が整い、業務の生産性が上がります。
しかし、自力ではオフィスの温度ムラの問題を解決できない場合もあるでしょう。
株式会社メンテルは、オフィス空調のサービスを提供しています。AIによって人々の行動パターンや快適と感じられる温度や湿度を学習し、最適なオフィス環境に調整可能です。
オフィスの温度ムラが気になる場合は、ぜひ一度メンテルにご相談ください。