【業種別】店舗の電気代の相場/平均とは?高くなる原因も解説

【業種別】店舗の電気代の相場/平均とは?高くなる原因も解説

「店舗の電気代の相場は?」
「電気代を削減する効果的な方法は?」

このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。

店舗の運営で電気代は大きな支出のひとつです。しかし、その相場がわからず適正なコスト管理が難しいと感じている方も多くいます。

そこで本記事では「店舗の電気代の相場」や「電気代が高くなる原因」をわかりやすく解説します。

本記事を読むと、電気代を削減するヒントが得られ、コスト管理に役立つでしょう。店舗の収益改善に直結する重要な情報となるため、ぜひ最後までお読みください。

目次

店舗の電気代の相場/平均

店舗の電気代の相場を業種ごとにまとめました。

業種電気代(売上高100万円当たり)
飲食店(カフェ・レストラン・居酒屋)24,838円
飲食料品小売業(コンビニ・スーパー・精肉店)15,827円
洗濯・理容・美容・浴場業11,831円

各業種によって電気の使用量やコストは異なるため、自分の店舗に近い例を参考にしてみてください。

一つひとつ詳しく解説していきます。

飲食店(カフェ・レストラン・居酒屋)

株式会社シンクロ・フードの調査によると、飲食店の電気代の相場は売上の3〜5%とされています。

また、新電力ネットの「産業別の光熱費・エネルギー利用料の目安」によると、飲食店の電力利用額は売上高100万円あたり24,838円です。

これは売上の約2.5%に相当します。

電力利用額は店舗の規模や設備・運営形態・電力料金プランなどにより変動するため、数値はあくまで目安として参照してください。

飲食店で主に電気を使用する設備は以下のとおりです。

  • 空調設備
  • 照明
  • 冷蔵庫

これらの設備の適正な稼働や省エネ設備の導入が、電気代削減のポイントになります。

飲食店の電気代の平均や節約方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

飲食料品小売業(コンビニ・スーパー・精肉店)

新電力ネットの「産業別の光熱費・エネルギー利用料の目安」によると、食料品小売業の電力利用額は売上高100万円あたり15,827円です。

これは売上の約1.6%に相当します。

この業種で電気を使用する設備は、以下のようなものが挙げられます。

  • 空調設備
  • 照明
  • ショーケース
  • 冷凍庫

とくにショーケースや冷凍庫は24時間稼働が必要なため、電気代の大きな割合を占めています。

そのため、冷凍庫の温度設定を適切に保つことや、扉を開けっぱなしにしないことなどが具体的な節電対策になります。

洗濯・理容・美容・浴場業

新電力ネットの「産業別の光熱費・エネルギー利用料の目安」によると、洗濯・理容・美容・浴場業の電力利用額は売上高100万円あたり11,831円です。

これは売上の約1.2%です。洗濯・理容・美容・浴場業の電気代は、前述した2業種と比較すると低くなっています。

主な電気使用機器は以下のとおりです。

  • 空調設備
  • 照明
  • ドライヤー
  • 衣類用アイロン

同業種では、営業時間外の電気使用を抑えることで、ある程度の節電が可能です。電化製品を省エネモデルへ切り替えることも有効な節電対策となります。

店舗の電気代が相場より高くなる原因

電気代を節約するためには、電気料金が高くなる原因を把握することが重要です。

店舗の電気代が相場より高くなる原因としては、以下の4つが考えられます。

  • 設備の老朽化
  • 非効率な機器の使用
  • 不適切な電力契約
  • 従業員の意識不足

これらの要因が積み重なると、電気代が予想以上に膨れ上がることがあります。

それぞれ順番に解説していきます。

設備の老朽化

設備の老朽化や使用頻度の増加すると、その消費電力量も年々増えていきます。

とくに空調設備は経年劣化により効きが悪くなると、同じ温度を維持するのにより多くの電力を消費します。5年使用している業務用エアコンは、新しいものと比べて電力消費量が20〜30%増加します。

また、古い冷蔵庫やショーケースも、コンプレッサーの効率の低下にともない、より多くの電力を消費します。

設備の定期的なメンテナンスや新しい省エネ設備の更新を検討しましょう。

非効率な機器の使用

空調や照明などが適切に使用されていないと、電気代の増加につながります。

たとえば、空調が適正温度に設定されていなかったり、使用していないエリアの照明が点灯し続けたりしているケースです。

電気代が増えるのを防ぐには、温度設定の適正化や不要な照明の消灯などの省エネ対策を実施しましょう。

経済産業省は飲食店における具体的な省エネ対策と、その効果を以下のように示しています。

設備具体的な取り組み建物全体に対する節電効果
照明使用していないエリアの照明を消灯し、可能な範囲で照明を間引きした場合7.0%
空調室内温度を26℃から2℃上げた場合4.0%
冷蔵・冷凍冷凍・冷蔵庫内は詰め込みすぎず、庫内の整理を行うとともに、温度調整を実施した場合0.4%
参考:経済産業省|夏季の省エネ節電メニュー 飲食店

人が少ない時間帯には空調を弱めたり、営業時間外には停止したりするなど、きめ細かな運用が節電に効果的です。これらの対策を実施すると、10〜20%程度の節電効果が期待できます。

不適切な電力契約

店舗の規模や業種に合っていない割高な電力プランを契約していると、電気代が必要以上にかかってしまいます。

小規模な商業施設や店舗の場合、以下の2種類のプランを契約することが一般的です。

プラン概要
従量電灯プラン100V電源の製品を稼働させるための電力
動力プラン業務用冷蔵庫など、消費電力の大きい200V電源の電力

自社の契約内容を把握していない場合は、電力会社から送付される検針票やWebサイトで確認しましょう。

たとえば、従量電灯プランは電力使用量に応じて電気料金が高くなります。電気を長時間大量に使うケースでは割高になりがちです。

電気代を安く抑えたい場合は、基本料金0円プランや時間帯別料金プランなどを提供している「新電力」を選ぶのもポイントです。電気料金の仕組みを理解し、自社の使用状況に合うプランを契約しましょう。

従業員の意識不足

従業員の省エネに対する意識不足も電気代を押し上げる要因となります。

日々の小さな行動の積み重ねが、月々の電気代に大きな影響を与えるためです。節電を促すために以下のようなルールを従業員に呼びかけましょう。

  • 使用していない場所の照明はこまめに消灯する
  • 無理のない範囲で空調の設定温度を調整する
  • 冷蔵庫や冷凍庫のドアを開けっぱなしにしない

環境省では夏は28℃・冬は20℃の室温が推奨されており、この基準を参考にして設定温度を調整することも効果的です。

電気代の削減には、設備や機器の効率的な使用だけでなく、日常の行動の見直しが大切です。

まとめ

この記事では「店舗の電気代の相場」や「電気代が高くなる原因」について解説しました。

店舗の電気代は、業種によって異なりますが、どの業種においても無視できない大きな支出です店舗の電気代が相場より高くなる原因は、主に以下のとおりです。

  • 設備の老朽化
  • 非効率な機器の使用
  • 不適切な電力契約
  • 従業員の意識不足

これらの問題に対処すると、大幅な電気代の削減が期待できます。本記事で紹介した対策を参考に、自社の状況に合わせた節電策を実施しましょう。

株式会社メンテルでは、電力消費データを詳細に分析し、店舗ごとの違いを踏まえた効果的な節電対策を提案しています。

空調の操作を店舗の統括本部が一元管理できるシステムを導入すると、各店舗の状況に応じた最適な運用ができます。店舗の電気代削減にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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