「ビルOSの市場規模はどれぐらいあるだろう？」
「これから市場規模はどうなるの？」
このような疑問を感じたことがある方もいるのではないでしょうか？
ビルOSはビル設備に関するデータを収集・蓄積・連携する機能を備えたデータ基盤です。
スマートビルの市場規模の拡大に合わせて伸びる領域のため、世間から注目されています。しかし、ビルOSの市場規模を知らない方もしばしばいるでしょう。
そこで本記事では、ビルOSの市場規模やその動向、大きくなる理由などについて解説します。
ビルOSやスマートビルディング導入を検討しているなら、ぜひ自身のビル運営の参考にしてください。
ビルOSの市場規模
2023年のビルOSの市場規模は1,818億9,000万米ドルと推定されています。
世界各国でスマートビルディングやビルのデジタル化が進んでおり、ビルOSの市場規模は拡大を続けているのです。市場規模拡大の中心地は欧米で、多くの企業がビルOSを開発・提供しています。
そのうちのひとつの環境エンジニアリング企業のジョンソンコントロールズは、室内空調を管理するOpenBlueというビルOSを開発・提供しました。これはエネルギー効率を改善して、使用電力の削減を可能にするビルOSです。
実際に中東の企業は、OpenBlueを本社に導入して快適な環境を提供しています。
また、EUではグリーンディール政策の一環として、ビルOSの導入に伴うビルの改修に対する助成金を提供しています。EU圏内の既存ビルの約90％は、2050年になってもまだ使われることが予想されています。
助成金を出すことで環境保全を推進して、ビルOS導入を促しているのです。ビルのDX化は世界規模で進んでおり、同時並行的にビルOSの市場規模も拡大しています。
ビルOSの市場規模の動向
ビルOSの市場規模の動向を探りましょう。
Mordor intelligenceの調査によると、2024年のビルOSの市場規模は2,010億8,000万米ドルと推定されています。
2029年には3,320億1,000万米ドルまで成長すると見込まれており、今後5年間で約10％程度成長すると予測されています。
ビルOSの市場規模は、IoTとAI技術の向上によって伸びました。
シスコのレポートによると、2024年までにIoTで接続されるデバイスの数は300億になると予想されています。
2018年の184億と比べると大幅な増加傾向にあることが分かるでしょう。
国際的なゼロカーボン（脱炭素化）を図るために、今後もIoTデバイスは増加し、それらをビルOSが束ねる構図がより一層推進されます。
ビルOSの市場規模が大きくなる理由
ここからは市場規模が大きくなる理由を2つご紹介します。
- スマートビルの市場規模が大きくなるため
- SDG’sへの関心が高まっているため
本章を読むと、ビルOSの市場規模拡大の理由を理解できるでしょう。
スマートビルの市場規模が大きくなるため
スマートビルとビルOSは切っても切れない関係です。そのため、スマートビルの市場規模が大きくなると、ビルOSも拡大するといえます。
まず、ビルOSとはAIやIoTを経由して取得したデータを収集・蓄積して、他のサービスと連携する「データ連携基盤」です。
ビルOSは、スマートビルに設置されているIoTセンサーで読み取ったデータを、空調システムや照明などに送信して、指示を出します。
ビルOSがなければ読み取ったデータを送る先が判断できなくなるでしょう。つまり、ビルOSとスマートビルは深く結びついているのです。
そして、スマートビルの市場規模は大きくなっています。FORTUNE BUSINESS INSITEによると、スマートビルの市場規模は2023年から2024年の1年間で120％も成長しました。
SDG’sへの関心が高まっているため
地球温暖化やSDGsへの関心が高まっていることも、ビルOSの市場規模が大きくなる理由のひとつです。
2030年までに貧困や紛争、気候変動、感染症などの17の課題を解決するとした目標です。
そのなかにはエネルギーをみんなに、そしてクリーンに使うことや、住み続けられる街づくりを作ることなどスマートビルやビルOSに関わりのある目標も定められています。
ビルOSは、AIやIoTを使ってエネルギー消費の最適化やCo2排出削減に貢献しています。
たとえば、IoTセンサーを活用して、人のいる場所だけ空調を稼働させれば、空調の使用量の削減が可能です。
ビルからのCo2排出量が削減されると、環境対策につながります。SDGsへの関心が高まるとスマートビルの市場規模が大きくなり、ビルOSの普及も加速するのです。
ビルOSの市場規模の成長を妨げる要因
ビルOSの市場成長を妨げる要因を、以下の2つ紹介していきます。
- 専門家が不足していること
- ビルOSの受け入れ態勢が整っていないこと
内容を理解してクリアできる課題かチェックしていきましょう。
専門家が不足していること
ビルOSの成長を妨げる要因のひとつには、専門家が不足していることが挙げられます。
ビルOSは照明や空調、セキュリティなどの自動管理システムを束ねる役割を果たします。これらのシステムを正常に作動させるためには、高度な技術を備えたエンジニアが必要不可欠です。
具体的には、運用に関する知識とソフトウェアの理解、ネットワークやシステム設計に詳しい人材が包括的に管理し、運用する必要があります。
これらの専門知識を持つ人材は不足しており、IT人材不足の問題と直結します。今後2030年までに日本のIT人材は不足の一途をたどることが予想されているのです。
しかし、ビルOSを専門的に扱う企業に、管理・運営を委託できれば人材不足に頭を抱えることはなくなるでしょう。自社のビル運営に合った企業の選定が不可欠です。
ビルOSの受け入れ態勢が整っていないこと
ビルOSの受け入れ体制が整っていないことも成長を妨げる要因と言えます。
企業や不動産業界全体でビルOSを受け入れるための準備ができておらず、導入には多くの時間と費用がかかる状況です。
初期導入コストの高さや既存システムの互換性が不明確で、導入を躊躇する企業も少なくありません。
効率的に導入を進めるには、ビル側も人材やシステム、ネットワーク環境を構築して受け入れる体制を整える必要があります。
ただし、専門の企業に委託すれば比較的スムーズに導入できるでしょう。
まとめ
この記事では、ビルOSの市場規模について詳しく紹介しました。
ビルOSは、AIやIoTを使ったスマートビルディングの普及に欠かせないデータ基盤です。スマートビルが急成長する中、ビルOSも同様に市場規模を拡大しています。
株式会社メンテルでは、スマートビル化をサポートするアプリケーションやソフトウェアを開発・提供しています。
ビルOSをビル運営に取り入れたいとお考えの方は、是非一度ホームページをご覧ください。
