太陽光発電のピークカットとは?コスト削減できる理由と導入の注意点

太陽光発電のピークカットとは?

多くの電力を消費する企業や施設では、電力の基本料金を決定する最大デマンド値の抑制が避けられません。

太陽光発電は環境負荷を減らすだけでなく、使い方次第ではピークカットを実現し、電力コストの削減にもつなげられます。

本記事では、太陽光発電によるピークカットの仕組みやメリット、導入時の注意点を解説します。ぜひ自社のエネルギーコスト最適化に役立ててください。

目次

太陽光発電のピークカットとは?

太陽光発電のピークカットとは

太陽光発電のピークカットとは、電力使用量が多くなる時間帯に太陽光で発電した電気を使い、購入電力量を減らすことで最大デマンドを抑える考え方です。

太陽光で発電した電気をそのまま自家消費すれば、ピーク時間帯の購入電力量を減らすことができ、基本料金の削減が可能です。

また、太陽光パネルを多めに設置する「過積載」を行うと、朝夕や天候が不安定な時間帯でも発電量が落ちにくくなります。

ただし、太陽光発電は天候や時間帯の影響を受けるため、蓄電池と組み合わせて補うことが重要です。詳細は「太陽光発電×蓄電池で電力不足を補うことも可能」をご覧ください。

節電のピークカットとの違い

節電と太陽光発電のピークカットは、どちらも最大デマンドを抑える目的は同じですが「電気の使用を抑えるか」「電気をつくって補うか」が違います。

両者の違いを以下にまとめました。

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項目節電のピークカット太陽光発電によるピークカット
基本的な考え方もっとも電力使用量が多い時間帯の電力を削減する自家発電して購入電力量を減らす
方法機器の運転停止、稼働時間の調整、空調設定の変更太陽光発電による自家消費
人の関与判断・運用が必要設備が自動的に対応

節電によるピークカットは、設備投資をしなくても、生産工程の調整や空調設定の変更のみで行えます。一方で、業務効率の低下や従業員の快適性に影響が出る恐れがあります。

太陽光発電のピークカットは、設備投資が必要ですが、電気の使い方を制限せずに安定したピークカットができることが強みです。

太陽光発電×蓄電池で電力不足を補うことも可能

太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、発電する時間と電気を使う時間のズレや、天候による発電量の変動を補えます

蓄電池は、発電量に余裕がある時間帯に電気を貯め、電力需要が最大になるピーク時間帯に放電します。これにより最大デマンド値を安定して抑えることが可能です。

急な天候悪化で太陽光の出力が低下した場合でも、蓄電池があればピーク時間帯の電力不足を補えます。

太陽光発電と蓄電池を連携させる具体的なメリットや注意点は「太陽光発電と蓄電池の連携するメリットは?注意点と導入ポイントを解説」の記事で紹介しています。

過積載とピークカットの関係

過積載とピークカットの関係

過積載とは、電気を変換する装置(パワーコンディショナー)が処理できる量よりも多くの太陽光パネルを設置する手法です。

日差しが強い時間帯には、発電しようとする電気量がパワーコンディショナーの上限を超えるため、発電量は一定で止まります。

パネルを多く設置すると、朝夕や天候が不安定な時間帯の発電量が底上げされ、1日をとおした総発電量が増えます。

あえてピークを抑え、安定して発電する時間帯を広げる設計が、ピークカットと相性のよい過積載の考え方です。

ピークカットとピークシフトの違い

ピークカットとピークシフトの違いは、電気を減らすのか使う時間を変えるのかにあります。

項目ピークカットピークシフト
考え方電力使用が集中する時間帯の使用量を抑える電力を使う時間帯を別の時間にずらす
対策の方向性電気の使用量そのものを減らす電気を使う量は変えず、使う時間を変更する
デマンドへの影響直接的に最大デマンドを下げやすい時間帯をずらすことで最大デマンドを下げる

ピークカットでは、ピーク時間帯の電力消費量が減るため、1日の総使用電力量も減少するケースが一般的です。

一方、ピークシフトは昼間よりも電気料金の安い夜間に設備を稼働させるように、電気を使う時間帯をずらす対策で、総使用量自体は変わりません。

太陽光発電でピークカットを行うメリット

太陽光発電でピークカットを行うメリット

太陽光発電でピークカットを行うメリットは、次の3つです。

  • ピーク時間帯の購入電力量を減らせる
  • ピークカットを継続的に行える
  • ピークカットと自家消費を同時に成立させやすい

ひとつずつ見ていきましょう。

ピーク時間帯の購入電力量を減らせる

太陽光発電を活用すれば、電力需要が高まるピーク時間帯に、電力会社から購入する電気を減らせます

日中はエアコンや設備稼働により電力使用量が増えやすく、同時に電力単価も高くなりがちです。

しかし、太陽光で発電した電気をそのまま自家消費すれば、ピーク時間帯の購入電力量を抑えられます。

とくに市場連動型の電力プランを契約している場合、昼間の電力価格が高騰しやすく、太陽光での自家消費はコスト削減効果を高めます。

電力価格が変動する仕組みは、「電力市場の9つの種類とは?市場価格が変動する仕組みもわかりやすく解説」をご覧ください。

ピークカットを継続的に行える

太陽光発電によるピークカットは、一度システムを導入すれば、日々の発電によって自動的に効果が得られるメリットがあります。

工場の稼働を止めたり、従業員に節電を求めたりする必要がなく、心理的・物理的な負担をかけずに対策を続けることが可能です。

太陽が出ている限り発電は行われるため、特別な操作や判断をしなくても、安定したピークカット効果を維持できます。

ピークカットと自家消費を同時に成立させやすい

太陽光発電は、ピークカットと自家消費を同時に実現しやすい点がメリットです。

電力需要が高まる時間帯に自家発電した電気を直接設備へ供給すると、電力会社からの購入量を減らせます。

また、蓄電池を介さずに電力を使う場合、充放電によるエネルギー損失が発生しません。

最大デマンドを抑えれば基本料金も下がり、さらに購入電力量が減ることで電気代全体の削減にもつながります。

太陽光発電の導入前に知っておくべき注意点

太陽光発電の導入前に知っておくべき注意点

ピークカットを目的に太陽光発電を導入する際に、押さえるべき注意点は次の3つです。

  • 過積載を行うと機器保証の対象外となるケースがある
  • 期待したピークカット効果が出ないことがある
  • 電力使用特性を把握せず導入するとリスクがある

順番に見ていきましょう。

過積載を行うと機器保証の対象外となるケースがある

パワーコンディショナーのメーカーによっては、過積載率に上限を設けている場合があり、その範囲を超えると機器保証の対象外となることがあります。

パワーコンディショナーに想定以上の負荷がかかり続けると、故障や性能低下の原因になるため、製品ごとの仕様を正確に把握することが重要です。

ただし、このリスクは設計段階でメーカーの許容範囲を確認すれば十分に回避できます。

長期運用を前提とする太陽光発電だからこそ、過積載の可否や保証条件を事前に確認し、無理のない設計を行いましょう。

期待したピークカット効果が出ないことがある

太陽光発電によるピークカットは、自社の電力使用ピークと発電時間帯が重ならない場合、十分な効果が得られないことがあります。

たとえば、夕方以降に電力需要が集中する施設では、日中しか発電できない太陽光パネルだけでは最大デマンドを抑えきれません。

このようなミスマッチがあると、想定していた削減効果が出ず、投資回収が遅れるリスクも高まります。

導入前にはエネルギーマネジメントシステム(EMS)を活用し、電力使用量や時間帯ごとの傾向を見える化することが重要です。

EMSの種類や役割は「エネルギーマネジメントシステム(EMS)の種類とは?メリット・デメリットも紹介」の記事で解説しています。

まとめ

太陽光発電によるピークカットを行うと、最大デマンドを抑えて電気の基本料金を削減できます。

過積載によって発電量の山をなだらかにし、日中ピーク時の購入電力量を減らせます。蓄電池と連携すれば、時間帯や天候による発電量の変動にも対応可能です。

ただし、電力使用特性を把握せずに導入すると、期待した効果が得られない恐れがあります。ピークカットを確実に実現するには、過去の電力データをもとにした事前シミュレーションが不可欠です。

株式会社メンテルでは、電力使用状況の分析から最適な設備構成の検討まで一貫してサポートしていますので、ぜひ公式サイトをご確認ください。

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