この記事では環境シミュレーションツールの一つであるLadybugについて紹介します。LadybugはEPWファイル形式の気候データを用いた詳細な分析をサポートし、環境設計におけるインタラクティブな可視化を実現します。
Ladybugとは

Ladybugは、EPW(Energy Plus Weather)ファイルをGrasshopperでインポートすることで、気候データを可視化します。設計の初期段階における意思決定を支援し、さまざまに気候分析をインタラクティブな可視化で実現します。
Ladybugは、外気温湿度のチャート分析や日照日影のモデリングなどを通じて、設計初期段階の環境性能向上に向けた検討や評価が可能です。
また、Rhinoceros+Grasshopperのビジュアルプログラミングによるパラメトリックな建物形状の検討に用いることで、設計変更に対して即時にフィードバックすることが可能です。以下のリンクより公式サイトにアクセス可能です。
Grasshopper Component|Ladybug Tools LLC
About Ladybug:https://www.ladybug.tools/ladybug.html
Ladybugの特徴

上図のLadybugを用いた環境分析のイメージに基づいて、その検討事例を以下で紹介します。
- 気候データチャート:温湿度や風向風速などの気候データを2Dおよび3Dでグラフ化して気候特性を解釈
- 太陽軌道分析:太陽光による日射や日影の影響を可視化し、屋内外での太陽光利用の最適化を検討
- 空気線図チャート分析:空気線図上で温湿度の発生分布から通年での気候特性を把握
- 快適性評価チャート:周辺建物の配置などの街区特性を考慮しながら、屋内外での快適性の評価が可能
Ladybugのインポート方法
Food4Rhinoよりインストーラーをダウンロード
下記のFood4Rhinoにアクセスして、Ladybug Toolsのインストーラーzipファイルをダウンロードします。
Food4Rhino|Ladybug Tools
https://www.food4rhino.com/app/ladybug-tools
installer.ghをGrasshopperで開いて、インストールを実行
フォルダ内のinstaller.ghをGrasshopperで開きます。1→2のトグルを順番にダブルクリックして、False→Trueに変更してインストールを実行します。インストールが完了したら、Rhinocerosを閉じます。
Rhinoceros+Grasshopperを再起動して、インストール結果を確認
Rhinoceros+Grasshopperを再起動して、GrasshopperのリボンにLadybugやHoneybeeが追加で表示されていれば無事にプラグインのインストールが完了しました。
Ladybugの活用方法
以上で、GrasshopperのコンポーネントであるLadybugについて紹介しました。Ladybugを用いることで気温や日射を分析することで、昼光利用や自然換気を最大利用するパッシブな建物や空間の形状や計画の検討に活かせます。今後は、Ladybugを活用した事例を紹介していきます。
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