この記事ではGrasshopperを用いて多孔質な外装をモデリングします。Signal Boxにインスパイアされたものです。建築の外観をパラメトリックにモデリングできるようになれば、動的な環境シミュレーションによる建物形状の最適化などに連携することが可能となります。
Herzog & de MeuronさんのSignal Boxについて

出展:Archi Diary
Flashback: Signal Box / Herzog & de Meuron
https://www.archdaily.com/256766/flashback-signal-box-herzog-de-meuron

Rhinoceros+Grasshopperについて
Rhinoceros+Grasshopperでパラメトリックにモデリングする大枠の流れと目的については、以下の記事をご参照くださいませ。
MENTERU TECH BLOG|
Rhinoceros+Grasshopperで実現するパラメトリックなシミュレーションによる建物形状の最適化アプローチ
https://tech.menteru.jp/notes/Rhinoceros-and-Grasshopper
Grasshopperでねじ曲がったルーバーのファザードをモデリング
以下の流れで、ねじ曲がったルーバーのファザードのモデリングを実装します。
- 「Construct Domain^2」と「Isotrim」でルーバーを設ける基準面を生成
- 「Construct Domain^2」でルーバー設置数で面を分割
- 「Iso Curve」と「Rotate Axis」で基準線を設け「Loft」で繋げてルーバーを生成

「Construct Domain^2」と「Isotrim」でルーバーを設ける基準面を生成
まず、「Boxt 2Pt」で生成したボックスに対し、ルーバーを設置する側面を「Deconstruct Brep」で分解した面のリストの中から「List Item」で選択します。それを「Isotrim」の”Surface”に接続し、”Domain”には「Construct Domain^2」で指定した水平方向と垂直方向の範囲を接続します。これによって、ルーバーを設ける側面とその範囲を定義した基準面を生成します。

「Construct Domain^2」でルーバー設置数で面を分割
次に、生成したルーバーを設置する基準面を、さらに「Isotrim」に接続してルーバーの設置数と間隔を指定します。「Isotrim」の”V Count”に設置するルーバーの数を与えます。

「Iso Curve」と「Rotate Axis」で基準線を設け「Loft」で繋げてルーバーを生成
最後に、ルーバーのリストに対して、ねじりを表現します。「Iso Curve」でルーバーの曲線上でねじりを表現する箇所を指定します。今回は4つの分岐点を設け、1つ目と4つ目は起点と終点のためねじりを設けずそのまま使用し、2つ目と3つ目にねじりを設けます。「Iso Curve」で取得した垂直方向の線分情報を「Rotate Axis」で回転角を設けることで、ルーバーのねじりを規定する基準線を作成します。これらの4つの線分情報を「Loft」に接続して面で繋げることでねじりのあるルーバーを生成できます。「Loft」に線分を接続する際は接続の順番で生成される面が変わるので注意が必要です。

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