「ホテルの部屋が臭い」
「カビや下水の臭い対策を知りたい」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
ホテルの部屋が臭いと、宿泊者に不快な思いをさせてしまい、顧客満足度の低下につながります。また、口コミサイトにネガティブな内容を書かれると、集客にも影響があるかもしれません。
ホテル運営では、宿泊者に快適な空間を提供する必要があります。本記事では、ホテルのクレームにつながる臭いの原因と対策をわかりやすく解説します。
ホテルのクレームにつながる臭いの原因6つ
ホテルのクレームにつながる嫌な臭いの原因は、主に以下の6つです。
- カビ
- 下水・排水
- タバコ(喫煙)
- 体臭
- 香水
- 飲食物
このような臭いは、リピート率にも影響を与える恐れがあります。対策を講じる前に、臭いの原因を見ていきましょう。
1. カビ
カビが発生すると、土や泥、腐った木材のような臭いがします。
カビは温度が25〜30度かつ湿度80%以上の高温多湿で風通しが悪く、ホコリや皮脂などの汚れがある場所に発生しやすくなります。
空調内部や浴室、絨毯、ベッドの下などは、カビが発生しやすいでしょう。とくに、空調内部の熱交換器は結露によりカビが発生しやすいため、部屋全体にカビ臭を撒き散らす恐れがあります。
また、カビは呼吸器疾患やアレルギー症状を引き起こす場合もあり、健康に悪影響を与えます。
カビの原因である揮発性有機化合物(VOC)は、微量でも臭いが認識されやすい特徴があるため注意が必要です。
参考:
労働安全衛生総合研究所|作業環境中におけるカビと健康影響
食品分析開発センターSUNATEC|においの豆知識 カビ臭とカビについて
2. 下水・排水
下水・排水の臭いはトイレや浴室などの水回りで発生します。
主な原因は以下の通りです。
- 排水管の汚れ・詰まり
- 排水管の接続不良
- 封水切れ
◾️排水管の汚れ・詰まり
排水管の中に髪の毛や排泄物が溜まってしまうと悪臭の原因になります。
◾️排水管の接続不良
排水管に接続不良があると、水を循環できず貯水槽に溜まった汚水が漏れ出し悪臭を発生させます。
◾️封水切れ
排水管のS字トラップ部分には、蓋の役割を果たす封水が設けられています。この封水が流れ出てしまうと、臭いを防ぐ機能が損なわれます。
3. タバコ(喫煙)
宿泊者が喫煙すると、タバコの有害物質やにおい成分が、部屋の壁紙や絨毯、ソファ、カーテンなどに付着して残留します。
<タバコの煙に含まれる成分の一例>
有害物質 | ・ニコチン ・タール ・一酸化炭素 |
臭い成分 | ・アンモニア ・アセトアルデヒド ・硫化水素 |
これらの臭いは、定期的な換気により消すことが可能です。ただし、宿泊者が長期滞在しており、タバコの臭いが染みついている場合は、消すのが困難です。
また、清掃スタッフの衣服に臭い成分が付着していたり、喫煙スペースの空気が入り込んだりすると、タバコ臭の原因になる場合もあります。
参考:
厚生労働省|健康増進法の一部を改正する法律の概要 資料1
国立高等専門学校機構|北折典之 タバコの煙と臭いの除去に関する研究
4. 体臭
くさいと感じる体臭は、細菌が汗や皮脂に含まれる成分を分解して発生します。そして寝具やソファなどに付着して長期間臭いを残します。
とくに体臭の原因となりやすい部位は次の3つです。
- 脇の下
- 頭皮
- 足の裏
◾️脇の下
アポクリン腺が多いため汗がよく出ます。腋臭症の方は日本人が約10%と少ないですが、欧米人は70%ほどとされています。
◾️頭皮
皮脂や汗、角質を餌に雑菌が繁殖し臭いに繋がっています。中高年以降では加齢臭の原因にもなります。
◾️足の裏
靴や靴下を長時間履くため蒸れやすく、細菌の繁殖に適した環境が整っているため、悪臭の発生につながります。
5. 香水
香水は、揮発性の高い成分と油性の成分から構成されています。揮発性の成分は空気中にすぐに拡散しますが、油性は残りやすいです。
とくに布製品やカーペット、カーテンなどに吸着するため、香水を使用した後は部屋に香りが残りやすくなります。
また、ベースノートと呼ばれる持続性の高い成分が含まれている香水は、時間が経つにつれてその香りを強く感じられます。
香水の香りには、嗜好や文化の違いがあるためクレームの原因になるのです。
6. 飲食物
宿泊客から持ち込まれた飲食物の臭いが部屋に染みつく場合があります。とくに、アルコール類や香辛料の多い食品の臭いは、長時間残りやすいため注意が必要です。
また、アルコール類の空き缶や空き瓶、スナック菓子の袋からは強い臭いが残ります。飲食物をカーペットや絨毯にこぼされたり、食べ残しが放置されたりすると腐敗して悪臭となります。
冷蔵庫の中も食品の臭いが染みつきやすいため、清掃時に確認しましょう。
ホテルの嫌な臭いの対策4選
ここまで述べたように、ホテルの嫌な臭いにはさまざまな種類と原因があります。
その対策は以下の通りです。
- 部屋の清掃を行う
- 定期的に換気する
- 消臭剤を使用する
- 空気清浄機を設置する
嫌な臭いは気分を害するだけでなく、健康被害にもつながります。お客様に快適な空間を提供するために、順番に対策を見ていきましょう。
1. 部屋の清掃を行う
まずは臭いの原因を取り除くために、以下の箇所の清掃が必要です。
- 空調のフィルター
- カーペットや絨毯
- 洗面所やトイレ、浴室
- 家具の隙間
◾️空調のフィルター
空調内の熱交換器は結露により湿気が溜まりやすく、フィルターはホコリが溜まりやすいためカビが発生しやすいです。2週間に1回を目安に掃除機や水洗いなどでホコリを除去しましょう。
◾️カーペットや絨毯
カーペットや絨毯にホコリが溜まっているとカビが発生する原因になります。掃除機を使ってホコリを取りましょう。また、食べ物をこぼしたときは、重曹を使って汚れを取り除くことが可能です。
◾️洗面所やトイレ、浴室
排水管の汚れや詰まりが臭いの原因になるため、パイプクリーナーで定期的に清掃することが重要です。週1回を目安に排水管を清掃すると、ぬめりや油汚れを防止して、悪臭を防げるでしょう。
◾️家具の隙間
掃除しにくい家具の隙間は、汚れが溜まりやすく臭いの原因となります。ベッドの下にも食べこぼしやゴミが落ちていないか確認しましょう。吸い取り口が細い掃除機を使うと、隙間のホコリも取れます。
関連記事:空調のフィルターを清掃する効果的な方法は?掃除の頻度や注意点も解説
2. 定期的に換気する
換気を行うと、部屋に新鮮な空気を取り入れ、嫌な臭いを排出できます。湿気を取り除く効果もあるため、カビや細菌の繁殖を予防できるでしょう。
窓が複数ある場合は、対角線上にある窓を開けると風の通り道ができるため、効率よく換気ができます。
窓がひとつしかない場合は、玄関を開けて扇風機やサーキュレーターを使って風の流れを作ればスムーズに換気ができます。
臭い対策として簡単で効果も高い手段のひとつです。
参考:大田区:効果的な換気方法
3. 消臭剤を使用する
消臭剤には嫌な臭いを除去したり、中和したりする効果があります。
以下のように消臭剤の種類によって特徴があるため、用途に応じて使い分ける必要があります。
消臭剤の種類 | 消臭剤の特徴 |
スプレータイプ | 広範囲に使用でき即効性が高い。 |
ジェルタイプ | スプレータイプより長期間効果があり、固形タイプよりも即効性がある。 |
固形タイプ | 即効性は劣りますが、長期間効果が持続する。 |
4. 空気清浄機を設置する
空気清浄機にはホコリや花粉、ハウスダストの除去だけでなく、室内の臭いを取り除く効果に特化した製品もあります。
ここでは空気清浄機と脱臭機の違いをまとめました。
◾️空気清浄機
一般的な空気清浄機は、ファンによって室内の空気を吸い込んでフィルターによってろ過します。臭い対策で導入するなら脱臭フィルターがある製品を選択しましょう。
◾️脱臭機
室内の臭いを分解・抑制する脱臭に特化した製品です。脱臭方法はメーカーによってさまざまで、次亜塩素酸やオゾンを利用する方式もあります。
空調によるホテルの臭い対策ならメンテルにご相談ください
本記事では、ホテルの臭いの原因と対策を解説しました。不快な臭いは顧客満足度に大きく影響し、リピート率を下げてしまう場合があります。
とくに、空調内にホコリやカビが発生すると、臭いが部屋中に蔓延してしまいます。
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ホテルの空調の臭いにお困りの方は、この機会にぜひご相談ください。
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