
オフィスの電気代を削減したい。
従業員の快適性を維持しながら省エネを実現したい。
こういった悩みを解決する記事です。
- オフィスの基本的な節電対策
- オフィスの空調の節電対策
- オフィスの照明の節電対策



はじめまして。
この記事の執筆者の井上智樹と申します。
竹中工務店で設備設計におけるBIMや環境シミュレーションの活用を推進した後に、AIベンチャーGRIDで主にスマートシティ関連PJのPMとして提案から開発まで一気通貫で担当。2023年より株式会社メンテルを経営しています。
オフィスの電気代を削減するには、空調や照明の使い方を見直すことが重要です。
しかし、設定温度の調整や消灯のような一般的な節電対策だけでは、十分な効果が得られない場合もあります。継続的に電気代を削減するには、エネルギー使用量の見える化や空調制御の最適化など、運用改善にも取り組むことが重要です。
オフィスの電力消費量の内訳


オフィスの電力消費量の内訳は以下のとおりです。
| 電力消費の内訳 | 夏季 | 冬季 |
|---|---|---|
| 空調 | 48.6% | 33.5% |
| 照明 | 23.1% | 29.8% |
| OA機器 | 13.9% | 18.1% |
夏季・冬季ともに空調と照明が電力消費の大部分を占めています。とくに空調は、夏季にはオフィス全体の電力消費量の48.6%、冬季も33.5%を占めており、節電対策では優先的に見直すことが重要です。
無駄な電力消費を削減できれば、CO2排出量の低減や脱炭素経営の推進にもつながります。
オフィスの基本的な節電対策


オフィスの基本的な節電対策は、次の3つです。
- 契約電力や料金プランを見直す
- エネルギー使用量を見える化する
- BASを導入して稼働を最適化させる
上記のような基本的な節電対策を実施すると、空調や照明どちらも節電につながります。
契約電力や料金プランを見直す
オフィスの電気代を削減するには、契約電力や料金プランの見直しが有効です。
現在の契約内容がオフィスの使用状況に合っていない場合、必要以上の電気料金を支払っている可能性があります。
電力自由化により、企業は自社に適した電力会社や料金プランを選べるようになりました。新電力のなかには基本料金を抑えたプランや、使用する時間帯に応じて電気料金を削減できるプランを提供している事業者もあります。
自社に適したプランへ切り替えると、業務内容を変えずに電気代の削減が期待できます。
エネルギー使用量を見える化する
オフィスの節電対策を効果的に進めるには、エネルギー使用量を見える化することが重要です。
電気代が高い原因は、空調や照明の消し忘れだけとは限りません。設備の運転時間が長すぎたり、一部のエリアで過剰運転が行われていたりなど、さまざまな要因が考えられます。
電力使用量を可視化すると、無駄な電力消費が発生している設備や時間帯を把握することが可能です。
たとえば、フロアごとの電力使用量を確認すると特定エリアの消費電力が高いことや、営業時間外にも設備が稼働していることが判明する場合があります。
データをもとに原因を特定できれば、運用ルールの見直しや設備制御の最適化など、効果的な省エネ施策を実施できます。
BASを導入して稼働を最適化させる
オフィス全体の省エネ効果を高めるには、BAS(ビルディングオートメーションシステム)の導入が効果的です。BASは、空調や照明などの設備を一括で管理・制御できるシステムです。
たとえば、利用者が少ない時間帯やエリアでは空調や照明の運転を自動で抑えることで、快適性を維持しながら電力消費を削減できます。人の手による操作だけでは難しい細かな運用を実現することが可能です。
さらに省エネ効果を高めるには、BASで収集した設備データを活用し、AIによって空調運転を最適化する方法も有効です。
オフィスの空調の節電対策


オフィスの空調の節電対策は次の4つです。
- フィルターの清掃頻度を増やす
- 必要なエリアだけ空調を稼働させる
- サーキュレーターを設置し空気を循環させる
- 新しい空調設備を導入する
空調はオフィスの電力消費のなかで大きな割合を占めるため、優先的に対策すると効率的な電気代の削減が期待できます。
フィルターの清掃頻度を増やす
フィルターを定期的に清掃すると、空調効率の改善につながり、電気代の削減が期待できます。
フィルターに埃や塵がたまると空気のとおりが悪くなり、必要な風量を確保するために空調設備へ余計な負荷がかかります。その結果、消費電力の増加や空調性能の低下につながるでしょう。
多くのオフィスでは管理会社による定期メンテナンスが年1〜2回程度実施されています。しかし、フィルターには日常的に埃や塵が蓄積するため、定期メンテナンスだけでは節電効果を最大限に得られません。
企業側でも月1〜2回を目安にフィルターの埃や塵を落とすようにしましょう。
空調のフィルターを清掃する方法は「空調のフィルターを清掃する効果的な方法は?掃除の頻度や注意点も解説」をご覧ください。
必要なエリアだけ空調を稼働させる
必要なエリアだけ空調を稼働させると、無駄な電力消費を削減できます。
資源エネルギー庁によると、使用していないエリアの空調を停止すると、建物全体で約2.4%の省エネ効果が見込めるとあります。利用頻度の低い会議室や空席エリアは定期的に運転状況を見直すとよいでしょう。
さらに、AIやIoTを活用して空調を自動制御すれば、利用状況に応じた最適な運用が可能になり、より高い省エネ効果が期待できます。
サーキュレーターを設置し空気を循環させる
サーキュレーターを活用して室内の空気を循環させると、空調効率の向上につながります。
冷気は下に、暖気は上にたまりやすいため、オフィス内では場所によって温度ムラが発生しがちです。温度ムラがあると、同じ空間でも場所によって暑さや寒さを感じやすくなり、空調効率の低下につながる場合があります。
サーキュレーターで空気を循環させると、冷気や暖気が室内全体に行き渡って温度ムラがなくなるため、設定温度を大きく変更しなくても快適な環境を維持しやすくなります。
オフィスの温度ムラが発生する原因や解消方法も詳しく解説しているため「空調によりオフィスに温度ムラが発生する原因は?室温維持の方法4選」もあわせてご確認ください。
新しい空調設備を導入する
老朽化した空調設備を使用している場合は、新しい空調設備への更新を検討しましょう。
空調設備は経年劣化によって運転効率が低下し、同じ冷暖房能力を確保するためにより多くの電力を消費する場合があります。また、故障や修理の頻度が増えることも少なくありません。
最新の空調設備には高効率なインバータ技術や環境負荷の低い冷媒が採用されており、従来の機種と比べて消費電力を抑えながら運転可能です。
初期費用は発生しますが、長期的にはランニングコストの削減につながるため、省エネを実現する有効な選択肢といえるでしょう。
オフィスの照明の節電対策


オフィスの照明の節電対策は、次の3つです。
- 照明の数を見を見直す
- LED照明に切り替える
- 人感センサーを導入する
照明は空調についで電力消費の割合が大きく、比較的取り組みやすい節電対策のひとつです。
照明の数を見直す
照明の数を見直すと、電力消費を抑えながら効率的に節電できます。
窓際など自然光が入る場所や、通路のように高い照度を必要としないエリアでは、照明の間引きを検討しましょう。
資源エネルギー庁によると、執務室の照明を半分程度間引きした場合、建物全体に対して約12.7%の省エネ効果が期待できます。
ただし、照明を減らしすぎると業務に影響が出る可能性があります。業務に支障が出ない範囲で明るさや配置を見直すことが重要です。
LED照明に切り替える
LED照明は従来の蛍光灯と比べて消費電力が30〜50%ほど少なく、電気代の削減が期待できます。寿命も約10年と長いため、照明交換にかかる手間やコストの削減も可能です。
LED照明は蛍光灯に比べて購入費用が高くなるものの、省エネとコスト削減を両立できる有効な選択肢です。
人感センサーを導入する
人感センサーは、人の出入りを検知して照明を自動で点灯・消灯するため、不要な点灯時間を減らし、無駄な電力消費の抑制につなげられます。
とくに利用頻度が不規則な場所では、照明の消し忘れが発生しやすいため、人感センサーの導入がおすすめです。
- トイレ
- 会議室
- 廊下
- 休憩室
- 非常階段
自動的に消灯する仕組みを整えると、継続的な節電を実現しやすくなるでしょう。
オフィスの節電対策に関するよくある質問
オフィスの節電対策に関するよくある質問をまとめました。
- 節電対策を継続するために重要なことは何ですか?
- やってはいけない節電対策は何ですか?
- 節電以外にオフィスの電気代を削減する方法はありますか?
- 節電対策を継続するために重要なことは何ですか?
-
組織全体で運用ルールや仕組みを整えることが重要です。AIによる空調制御の最適化やエネルギー使用量の見える化を活用すると、無理なく継続的な省エネ運用を実現できます。
- やってはいけない節電対策は何ですか?
-
過度な温度設定や極端な消灯など、快適性や業務効率を損なう施策です。また、節電を社員任せにすると負担が偏り、継続しにくくなります。快適性を維持しながら、無理なく続けられる仕組みづくりが重要です。
- 節電以外にオフィスの電気代を削減する方法はありますか?
-
太陽光発電や蓄電池の導入はオフィスの電気代を削減する手段として有効です。自家発電した電力を活用すると、電力会社から購入する電力量を削減できます。節電対策と組み合わせると、さらなる電気代削減が期待できるでしょう。
まとめ
オフィスの電気代を削減するには、空調や照明の運用を見直し、継続的に省エネへ取り組むことが重要です。とくに、電力消費の割合が大きい空調は、省エネ効果を左右する重要な設備といえます。
AIやIoTを活用して空調運転を最適化すれば、快適なオフィス環境を維持しながら省エネ効果を高めることも可能です。



メンテルでは、AIを活用して個別空調の制御を最適化する支援をしており、オフィスの省エネと快適性の両立に貢献します。
空調コストの削減や設備運用の効率化を検討している方の悩みを解決しますので、ぜひ以下の資料をご確認ください。

