産業用の太陽光発電のメリット5選!企業が導入判断をするポイント

産業用の太陽光発電のメリット5選!企業が導入判断をするポイント

光熱費の高騰が続く昨今「太陽光発電を導入したほうがいいのだろうか?」と考える企業も多いのではないでしょうか?

環境への配慮や脱酸素への取り組みが求められる一方で、太陽光発電は決して安い設備ではありません。そのため、導入に踏み切るべきか、慎重に判断するのは自然なことです。

そこで本記事では、産業用太陽光発電のメリットやデメリット、導入判断のポイントを解説します。自社にとって検討する価値があるかを整理する判断材料として、ぜひ参考にしてください。

目次

産業用の太陽光発電のメリット5選

産業用太陽光発電のメリット

産業用太陽光発電を導入する、主なメリットは次の5つです。

  1. 電気代削減につながる
  2. 電力価格変動リスクを抑えられる
  3. 節税効果が期待できる
  4. CO2削減につながる
  5. 非常時・BCP対策につながる

一つずつ見ていきましょう。

1. 電気代削減につながる

産業用太陽光発電を導入すると、電気代の削減につながります。自社で発電した電気を事業活動に使うことで、電力会社から購入する電力量を減らせるためです。

太陽光発電を導入すれば、発電した電気をそのまま使えるため、電力会社に支払う基本料金や従量料金を抑えやすくなります。

また、2012年の制度開始以降、上昇が続いている再エネ賦課金の影響も、購入電力量が減る分だけ受けにくくなるでしょう。

2. 電力価格変動リスクを抑えられる

太陽光発電を自社で運用すると、電気料金の値上がりの影響を受けにくくなります。電力会社から購入する電気の割合を減らせるためです。

電気料金は、燃料価格の高騰や国際情勢の変化によって変動します。しかし、自社内で発電した電気は、外部環境の影響を受けません。

日々の発電量の予測は容易ではありませんが、一度設備を導入すれば、燃料費ゼロで電力を生み出し続けることが可能です。

市場価格が変動する仕組みは「電力市場の9つの種類とは?市場価格が変動する仕組みもわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

3. 節税効果が期待できる

産業用の太陽光発電の導入では、一定の条件を満たせば、設備投資に対する税制優遇制度を利用できます

太陽光発電設備の電気を指定事業のみに使った場合、中小企業強化税制のA類型・B類型の対象となり、取得価額を全額即時償却することが可能です。

事業で利益が出過ぎて税金が高くなった場合でも、投資により利益を圧縮でき、節税につなげられます。

参考:中小企業経営強化税制 Q&A集(ABCD類型共通)
参考:資源エネルギー庁|太陽光発電について

4. CO2削減につながる

太陽光発電を取り入れると、CO2の排出量を削減し、環境負荷を抑えられます。

電力会社から購入する電気の一部を、CO2を排出しない再生可能エネルギーに置き換えられるためです。

近年は環境への配慮が企業に求められるようになり、取引先からもクリーンエネルギーへの取り組み姿勢を確認される場面が増えてきました。

環境への配慮を目に見える形で示すことは、企業の信頼感を高めることにもつながります。

5. 非常時・BCP対策につながる

太陽光発電を備えると、停電時でも事業を継続できる体制が整います。

万が一、電力供給が止まっても照明や通信機器、必要最低限の設備を動かせれば、業務への影響を抑えられます。こうした備えは、企業のBCP(事業継続計画)を考えるうえで欠かせません。

さらに蓄電池と組み合わせると、夜間や天候の悪い日でも電気を使えるようになり、非常用電源としての実用性が高まります。

蓄電池について詳しく知りたい方は「蓄電池のメリット・デメリット10個紹介!企業が導入すべき理由とは?」をご覧ください。

産業用の太陽光発電のデメリット3つ

産業用太陽光発電のデメリット

産業用の太陽光発電は、導入前に検討すべき懸念点も存在します。主なデメリットを3つ見ていきましょう。

  1. 導入コストがかかる
  2. 天候や設置条件の影響を受けやすい
  3. 運用・管理を考えないと効果が出にくい

詳しく解説していきます。

1. 導入コストがかかる

産業用の太陽光発電システムを導入するには、太陽光パネルや架台、パワーコンディショナーなどの費用がかかります。

工場や事業所の規模が大きいほど設備も増えるため、導入内容によっては数千万円単位の投資を検討するケースもあります。

導入前には電気代の削減によって、いつ投資額を回収できるかを把握することが大切です。

定期的なメンテナンス費用や、将来的な撤去・廃棄にかかるコストも考慮し、長期的な視点で費用対効果を確認しましょう。

2. 天候や設置条件の影響を受けやすい

太陽光発電は、天候や季節によって発電量が変わりやすい設備です。雨や曇りの日が続くと発電量が少なくなり、電力会社からの購入量が増える場合があります。

また、工場や事業所の屋根の向きや角度、周囲の建物の影響など、設置条件によっても発電効率は変わります。

北向きの屋根や耐荷重が不足している建物では、設置自体が難しい場合や期待するほどの効果が得られないケースもあるでしょう。

事前に専門業者による現地調査を行い、自社の立地条件が発電に適しているか確認が必要です。

3. 運用・管理を考えないと効果が出にくい

太陽光発電を設置して終わりではなく、発電した電気の運用も考える必要があります。工場の稼働時間や電気の使用量が多い時間帯と合っていなければ、発電した電気を十分に活かせないことがあります。

効果を高めるには、電力の使用状況を把握し、無駄が出ないように調整する仕組みを整えることが重要です。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)を活用すれば、設備ごとの消費電力や稼働状況を見える化し、発電した電気を効率よく使えるようになります。

産業用の太陽光発電が向いている企業・向いていない企業

本章では、どのような企業に太陽光発電が向いているのか、また注意が必要なケースについてまとめました。

太陽光発電は、すべての企業で同じ効果が出る設備ではありません。事業内容や稼働時間、電力の使い方によって、向き・不向きがわかれるため、かならず確認しておきましょう。

向いている企業

産業用の太陽光発電は、次のような企業に向いています。

  • 日中に多くの電力を使用する工場や事業所を持つ企業
  • 電力使用量が毎日ほぼ一定の業態
  • 広い屋根や敷地を確保できる企業

太陽が出ている昼間に生産ラインがフル稼働している場合、発電した電気をそのまま自社で消費しやすく、高い自家消費率が期待できます。

また、毎日ほぼ同じ量の電力を使用する業態であれば、発電量と消費量のズレが起きにくく、電気代の削減効果も安定しやすくなるでしょう。

向いていない企業

産業用の太陽光発電は、次のような企業ではメリットを活かしにくい場合があります。

  • 夜間の稼働が中心で、日中の電力使用量が少ない企業
  • 屋根の老朽化や、周囲の建物による影の影響が大きい拠点
  • 電力使用量が少なく、契約容量も小さい小規模な事業所

太陽光発電でつくられた電気は、蓄電池を併設しない限り、その場での消費が必要です。日中に電気をあまり使わない業態では、発電した電気を活かしきれず、導入効果が出にくくなります。

建物の条件や電力使用量によっては、設備費用の回収が見込めないケースもあります。太陽光発電が合わない場合でも、空調の見直しなど他の省エネ対策によって、電力コスト削減や環境対応を進めることは可能です。

詳しくは「工場の空調を省エネにする方法5つ!光熱費削減の施策を紹介」を参考にしてください。

産業用太陽光発電を導入するポイント

産業用太陽光発電の導入ポイント

産業用太陽光発電の導入を成功させるには、事前の制度確認や導入後の活用イメージを整理しておくことが大切です。とくに確認しておきたいポイントは、次の4つです。

  • 補助金制度を活用できるか確認する
  • FIT制度の影響を理解しておく
  • 太陽光パネルの設置に適した条件を確認する
  • 導入後にどこまで活用できるかを想定する

順番に見ていきましょう。

補助金制度を活用できるか確認する

産業用太陽光発電を導入する際は、国や自治体が実施している補助金制度の最新情報を事前に確認することが大切です。

補助金を活用できれば、初期費用の負担を大きく抑えられる可能性があります。たとえば、国が実施している需要家主導型太陽光発電導入支援事業では、太陽光発電設備や蓄電池の導入に対して補助が行われます。

こうした制度は公募期間や条件が限られているため、検討を始めた段階から専門のコンサルタントや施工業者に相談し、スケジュールに余裕を持って申請準備を進めましょう。

FIT制度の影響を理解しておく

FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)とは、太陽光発電でつくった電気を一定期間、国が定めた価格で電力会社が買い取る仕組みです。

産業用太陽光発電の場合、買取期間は原則として20年間です。以前は発電した電気を売電して収益を得る方法が主流でした。ただ近年は買取価格が下がり、自家消費を重視した運用のほうが経済的なメリットを得やすくなっています。

また、FITの買取期間が終了した20年後に、設備をどのように活用するかもポイントです。導入前から長期的な活用イメージを持つことが大切です。

太陽光パネルの設置に適した条件を確認する

太陽光発電は、設置する環境によって発電量が大きく変わるため、導入前に次のような点を確認しましょう。

  • 設置スペースが十分に確保できるか
  • パネルの重さに耐えられる建物かどうか
  • 日当たりを遮る建物や設備がないか
  • 塩害や積雪の影響を受けやすい立地ではないか

また、パネルは南向きに設置できると、安定した発電が期待しやすくなります。条件を事前に確認すると、より現実に近い発電シミュレーションができ、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。

導入後にどこまで活用できるかを想定する

産業用の太陽光発電は、導入後にどのように活用するかを考える必要があります。

太陽光発電単体で使うのではなく、蓄電池と組み合わせて夜間の電力使用に備えたり、将来的に仮想発電所(VPP)へ参加したりすると、活用の幅は広がります。

導入前から運用のイメージを持ち、将来の制度変更や技術の進化にも対応できる計画を立てると、太陽光発電の価値を長く活かせるでしょう。

仮想発電所については「仮想発電所(VPP)とは?電力制御の仕組みと導入メリットを解説」で詳しく解説しています。

産業用太陽光発電に関するよくある質問

産業用太陽光発電に関するよくある質問をまとめました。

  • 産業用太陽光は固定資産税の対象ですか?
  • 太陽光発電をやめたほうがいい理由はなんですか?

順番に見ていきましょう。

産業用太陽光は固定資産税の対象ですか?

出力10kW以上の産業用太陽光発電設備は、自家消費目的であっても「事業用資産」として扱われ、固定資産税の課税対象となるのが一般的です。ただし、中小企業経営強化税制などの優遇措置を活用できれば、税負担を軽減できる場合もあります。導入前に税額の目安や適用制度を確認しましょう。

太陽光発電をやめたほうがいい理由はなんですか?

太陽光発電は、すべての企業に向いているわけではありません。日中に電力をほとんど使わない業態や、日当たりの悪い立地では、導入コストを回収できない恐れがあります。自社の電力使用状況や建物条件を踏まえ、費用対効果が見込めないと判断した場合は、無理に導入しないようにしましょう。

まとめ

産業用太陽光発電は、電気代の削減と環境対策を同時に進められる有効な手段です。

一方で、導入効果は企業の電力使用状況や設備条件によって大きく左右されるため、メリットだけでなく注意点を理解したうえでの判断が重要です。

太陽光発電の価値は、発電した電気をどう使い、どう制御するかにあります。

株式会社メンテルでは、電力需要と太陽光発電量を予測し、そのデータをもとに蓄電池の充放電計画を最適化するエネルギーマネジメントを支援しています。

電力の使用状況を可視化し、設備ごとの負荷を把握したうえで運用を設計すると、太陽光発電や蓄電池を無理なく効果的に活用可能です。

まずは現状の電力の使い方を整理し、自社に合ったエネルギー戦略を検討してみてはいかがでしょうか。

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